フリースタイル出産って実際どうなの?はじめての妊娠でフリースタイルを選んだ私の体験記

この記事をシェアする

出産は必ずしも、“分娩台の上で足を広げてするもの”だと決まっているわけではありません。私は子ども2人をフリースタイルで出産しましたが、本当によかったと思っています。今回はそんなフリースタイル出産の実情をお伝えします。

「アクティブバース」「フリースタイル出産」って??

アクティブバースやフリースタイル出産という言葉を聞いたことがありますか?アクティブバース・フリースタイル出産とは、自由な体勢で赤ちゃんを出産する方法を意味します。

分娩台に仰向けに寝る姿勢が一般的であるものの、実は重力に逆らっていて、動物の出産としては不自然という考え方もあるのだとか。そこでフリースタイル出産では、“四つんばい”や“しゃがむ”姿勢のほかに、横向きに寝転んだり天井からさがっている綱につかまったりと、さまざまな方法をママが自由に選んで出産できるようになっています。ちなみに私は、第1子、第2子ともに四つんばいの姿勢で、上半身は大きなビーズクッションに預けて陣痛に耐え、出産しました。分娩台の上に寝転んで出産したことがないので比較ができないのですが「いつでもどんな風に動いてもいい」という安心感は、陣痛の痛みから来る恐怖を和らげてくれるように思います。

私が出産した産院では、大きな畳の部屋にトイレも備え付けられていたので、どんな格好をしていようが気にせず、いつでもトイレに行くこともできましたし、しんどいときには楽な姿勢を探すこともできました。

フリースタイルの実情。ここがキツかった!

2回ともフリースタイル出産だった私は、もしまた妊娠したとしても怖くて分娩台にはあがれないな、と思っています。つまりフリースタイル出産は私にとって最高の形だったということ!しかし、まだまだフリースタイル出産は広く浸透してないのが現状で、広島でもあまり聞きません。興味があったとしても、「フリースタイル出産のデメリット」が気になり、踏み出せないママもいるかもしれません ね。私自身のフリースタイル出産を振り返ってみたところ、布団に横になるとおなかが苦しくて、四つんばいの姿勢から動けなかったため、10時間同じ姿勢で痛みに耐えていました。そのため足は段々とぷるぷるしてきて、終わった後は全身筋肉痛。そこが唯一デメリットだったかもしれないと思う部分です。でもこれは分娩台で生んだママでも、身体に相当な力がかかり筋肉痛になると聞くので、同じかもしれませんね。

フリースタイルだからこそきつかった!という点が思いつかないので、ここからは、私が選んだ産院のきつかったところを書いてみようと思います。フリースタイル出産をしているような産院は、自然派なところが多く、似通ったシステムになっているところもあると思うので参考にしてもらえればと思います。

後ほど詳しくご紹介しますが、私の産院では生んだその瞬間からカンガルーケアをし、そのまま母子同室という流れになっています。つまり生まれてその先は、赤ちゃんと24時間ずっと一緒。出産前は「赤ちゃんとずっと一緒にいられるほうが赤ちゃんも安心してくれそうだし、母性も育ちそうだし素敵」と思っていたのですが、実際はかなりスパルタでもあります。

なぜならまず、眠れません。最初はまだ母乳も出ていませんが、泣くたびに吸わせるように言われるので、常に授乳体勢。さらにオムツは布で、おしりふきは毎回コットンをお湯で湿らせて使うのです(写真の背景はおむつの山です)。昼夜関係なく、授乳とオムツ替えのエンドレスループといった感じでした。それでも赤ちゃんが寝てくれている時間はあるのですが、今度は産後ハイで気分が高まり、目がらんらんとしているので全く眠れません。産院によっては、出産直後のママに睡眠薬を渡して、一日しっかり寝てもらってから母子同室を開始するところもあると聞きました。それには賛否両論ありますが、5日間産後ぼろぼろの身体で眠れなかった私は「睡眠薬欲しい…」と思ったのが正直なところです(笑)

他にも、会陰が裂けたところ(会陰切開はしない方針でした)はアロマを塗ったり、母乳過多で胸がぱんぱんに張ってしまい熱を持ったときは冷やしたキャベツを貼った りと、なるべく薬を使わない方針だったので驚くことがいろいろとありました。私はそんなユニークで昔ながらの知恵を使ったケアが気に入っていましたが、もしかしたら中には不安を持つ人もいるかもしれませんね。

出産を自分のものにできる!フリースタイル出産の良かったところ

私の出産した産院では、畳の上に布団が敷かれ、ほんのりと明かりが灯る自宅のような雰囲気の部屋を用意してもらえたため、陣痛中もリラックスして、出産だけに集中することができました。第1子のときは陣痛開始から出産まで10時間だったのですが、立会い中の夫は、絶叫する私の横で布団に横たわって眠っていたほど落ち着いた雰囲気(笑)

出産時には助産師さんが2人いて、腰や足を温めたりさすったりし続けてくれ、お水を飲ませてくれたり、何度も出産に立ち会ってきた手で、触れていてくれたのがとにかく心強く感じました。ちなみに、ドラマの出産シーンなどでは「まだいきんじゃだめ!」というセリフが聞かれますが、私の場合は「いきみたいときは好きにいきんでいいからね」と言ってもらったので、いきみ逃しというものをしたことがありません。

赤ちゃんの頭が出ると「触ってみる?」と頭を触らせてくれ、最後赤ちゃんの体が出てくるときは「旦那さんにつかまってみようか」と言われ、夫にしがみついて最後の力をふりしぼって生みました。すぐに「下に手を伸ばして!」と言われ、出てきた赤ちゃんを自分の手で抱き上げます。正直に言うとそのときは必死でどうでもいいなんて思っていましたが、振り返ると良い経験になったな、と思います。

そのまま自分の胸の上に赤ちゃんを寝かせ、2時間ほど休憩。一度体重などを量りに連れて行かれる以外は、赤ちゃんはずっと胸の上に寝かせられたままです。あたたかくてちょっとだけ重たくて、ぷにぷにしていて…。脱力し私に身を任せて寝てくれている、生まれたてのわが子。生まれてすぐにずっとわが子に触れていられる経験は、本当に贅沢で、何物にも代えられない一生の宝物だと思います。

「もう一回体験したい!」と思えるようなお産を

フリースタイル出産を体験して、私は本当に良かったと思っています。妊娠、出産 がトラウマになるか、素晴らしい体験になるかは人それぞれ。自分に合った出産方法で、「もう一度体験したい」と思える出産ができるといいですね。

担当ライター

この記事をシェアする