お腹の中の我が子が主役!「絵日記」とともに過ごした妊娠後期~出産までの日々

母になる実感の湧かなかった妊娠初期から中期。嬉しいはずの我が子の存在も、なんだか遠く感じてしまう日々でした。そんなときに始めたのが、我が子を主役とした絵日記。おかげで私の妊娠後期は面白く、幸せな日々になりました。今回は、そんな日々の気持ちの変化についてご紹介します。初めての出産で母になる心の準備がなかなかつかない方、ぜひ読んでみてください。

近くて遠い…初めての赤ちゃん

私にとって妊娠判明は、まったく夢にも思わない状態で、ある日突然訪れました。
お腹の中に赤ちゃんがいると分かったときの私の気持ちは、「喜び」よりも「戸惑い」や「不安」。結婚後は、「いつかは子どもを…」と思っていたはずなのに、母になることを全く想像できていなかったのです。その頃の私は、仕事が忙しく、毎日夜遅くまで残業続きの日々。まったく余裕のない忙しさの中で、妊娠の兆候に対しても「風邪ひいたかな?」程度にしか感じていませんでした。

「赤ちゃんができるって、こんな気持ちになるもの?」と、自分でも自分の感情が信じられなかった当時。周りにもまだ妊娠、出産を経験している友人が少なく、同じ立場の人がいないというのも大きかったのかもしれません。今思えば、まだ妊娠初期にも関わらず、すでにマタニティーブルーになっていたのかも。妊婦検診では、間違いなくお腹の赤ちゃんの存在を確認できるのに、「母親の愛情」のような感情はまだ芽生えず、ただただ遠い存在のように感じられて仕方ありませんでした。

母親教室で聞いた「赤ちゃんのお弁当と水筒の話」

だんだんと赤ちゃんが大きくなり、お腹のふくらみも見え始めてきた妊娠中期。
私は里帰り出産のために、広島から実家のある島根に帰省することになります。実家での私は、「母親」ではなく「娘」。大学から一人暮らしをしていた私にとって、久しぶりの実家生活は、まるで高校生の頃に戻ったかのような感覚になれました。そんな暮らしを送っていたため、「私が母になるってどういうこと?」という疑問は消えることはなく、妊娠周期だけが進んでいきます。それどころか、両親と自分を重ねてしまって、母親になることへのハードルは高くなる一方。情けないことに、まだまだ子どものように自己中心的な私は、まったくお腹の赤ちゃんのことを考えられていませんでした。

そんな時期に参加したのが、産婦人科での母親教室。“出産直前から出産直後についての説明を聞く”という内容でした。その中で、あるエピソードが強く印象に残ることに。それは、「赤ちゃんのお弁当と水筒の話」です。母親教室に参加したことのある方は、聞いたことがあるかもしれませんね。

おそらく多くのママたちが、出産直後、十分に母乳が出ない経験をしたことがあると思います。産後3日目までは、じわっとにじむ程度の母乳が出るだけで、「これだけで本当に足りているのかな…」と不安になる人も多いでしょう。しかし、赤ちゃんの力強い生命力を侮ってはいけません。実は、出生直後の一時的な飢餓状態に備えて、お腹の中で必要な水分と皮下脂肪を蓄えて産まれてくるのです。生後3日目までには、この栄養分と水分を効率的に燃焼しながら、徐々に外の世界に慣れていきます。このような赤ちゃんの体の変化を指して、「赤ちゃんはお腹の中で、お弁当と水筒を持って生まれてくる」と表現されるようになりました。

 

……このお話、とっても可愛いですよね…!
母親教室で、このエピソードを聞いたとき、私の頭の中では、せっせと一生懸命お弁当をつめている我が子の姿が浮かびました。なんだか微笑ましくて、愛おしくて、気分がパッと明るくなったのを覚えています。産まれたばかりの赤ちゃんは、決して弱い存在ではありません。もちろん、まだ一人でたくましく生きていくことはできないですが、早く新しい生活に慣れられるようにがんばろうとしているのです。私も、赤ちゃんと一緒に、徐々に母親として慣れていけばいいんだと思えるようになりました。

生まれる準備中の我が子を描いてみよう

母親教室で聞いたその話が、なぜかとても気に入った私は、早速絵に描いてみることに(笑)。でき上がったのが、上の写真です。この子の名前は、主人の名前をもじって「こぺい」。眉毛が太いところも、パパ似です。そして、妊娠後期から産後まで、私は毎日「こぺい」を主役に、絵日記をつけるようになりました。「今日はこぺい、何してるかな?」「卵焼きを焼いてたりするのかな?」と想像するだけでなんだか面白く、幸せな気持ちに。日記を書き始めてからは、あれだけ実感の湧かなかった我が子の存在が、まるで目に見えるかのように身近に感じられるようになっていました。

絵日記で赤ちゃんが身近な存在に

この頃の絵日記は、息子が2歳になった今でもたまに読み返します。昔から、何事も長続きしなかった私は、産後の忙しさと不規則な生活の中で、いつしか絵日記を書かなくなってしまいました。そのため、この「こぺい」日記は、ごく短い期間のことしか記されていません。しかし今思えば、あの頃の私にとって、絵日記を書くことは確実に必要なことでした。
我が子のことを身近に感じられるようになっただけでなく、母親としての心の準備にもなった、大切な絵日記。帝王切開で迎えた出産当日も、心の中で「こぺい、がんばれ!」と叫び続けました。産まれた直後の姿を見たときも、「やっと出会えたー!」というような感覚に。余談ですが、実際に生まれた息子の顔は、不思議とどことなく「こぺい」に似ていて、忘れられない不思議な体験となりました。

 

みなさんは、「母親」になるのはいつからだと思いますか?
私は、いざ自分が妊娠するまで、「赤ちゃんができたとき」だと思っていました。というよりも、あまり深く考えたことがなかったのかもしれません。ただ、実際に母となった今は、母親になるのはもっともっと後からだったのだと、気がついたのです。妊娠後期に入るまでは、「こんな気持ちで母親になったとして、我が子をちゃんと可愛がってあげられるのかな…」と不安に襲われることもありました。しかし、今では息子が可愛くて可愛くて仕方ありません(もちろん、大げんかすることもあります…)。大きくなったら、に絵日記を読んでみたいなと思います。

いよいよ妊娠後期!母になる準備ができていなくても大丈夫

初めて我が子を授かったという人、私のように自信が持てないという人、まったく焦る必要はありません。私のように、妊娠後期になってもまだ母になる実感の持てなかった人もいるんです。赤ちゃんと一緒にゆっくりと「母親」に近づけていけるよう、一緒にがんばりましょう!

担当ライター