無痛分娩で息子を2人産んだ私の妊娠・出産体験記。気になる周りの反応やメリット・デメリットは?

私は2人の息子を無痛分娩で出産しました。しかし、最初から無痛分娩を選択していたわけではありません。私がなぜ無痛分娩をすることになったのか、無痛分娩を受けてみて実際どうだったのかについてお話しします。

妊娠し第一子の予定日が近づくにつれ、出産に怯え陰鬱な日々を送る

私が長男を妊娠したのは25歳のときでした。当時、仲の良い友人の中では妊娠・出産を経験している子はおらず、出産の体験談を聞くことができたのは母や伯母などの親世代が主でした。そして私も母などから聞いたように普通分娩でお産をするのだろうと思っていたのです。

現在は広島に住んでいますが、当時の住まいは関東の田舎にありました。出産すると決めたのは、近所の口コミがよかった田んぼの真ん中にある産院。
その産院の母親学級に参加したときのことです。病院案内の冊子に無痛分娩を扱っていることが書かれていました。
無痛分娩に関して「お産の痛みを取る」「費用が高そう」というくらいの知識しか持ち合わせておらず、このときも無痛分娩は選択肢に入ることはありませんでした。

その後、大きなトラブルもなく順調に妊娠期間は過ぎていきましたが、妊娠後期に入った頃から私の心境に変化が。赤ちゃんの誕生を楽しみにしていたはずなのに、だんだんと不安が大きくなっていったのです。「私に産めるのかな」「どのくらい痛いのかな」と考えるうちに、私の心は恐怖にむしばまれていきました。

そして徐々に恐怖心は大きくなっていき、ついには部屋に閉じこもり陰鬱な日々を送るように。「赤ちゃんの誕生を楽しみに思えないなんて、母親失格だ」と自分を責めては、恐怖心に襲われるといった負のサイクルに陥っていたように思います。

無痛分娩を決意!定期検診で救われた助産師さんの言葉

そんな日々を繰り返すうちに、ふと無痛分娩のことを思い出しました。もらった病院案内の冊子を詳しく見てみると、8割程お産の痛みを軽減できるとのこと。
未知の痛みの恐怖にとらわれていた私は無痛分娩に惹かれ、毎日のようにネットで情報収集をしました。そしてメリット、デメリットを理解した上で「やっぱりやりたい」と思ったのです。しかし今度は、「痛みが怖いから」という理由で無痛分娩を希望してもいいものか、という迷いが生じることに。夫は好きにしていいよと言ってくれましたが、無痛分娩で出産した人が周りにいないこともあって、しばらく悩みました。
そんな思いを抱えたまま、妊婦検診の日を迎えます。助産師さんとお話する外来で恐る恐る「あの、無痛分娩って…」と聞くと、「無痛分娩希望?痛みに弱かったり、どうしても恐怖心が拭えなかったりするのならやってみたらどう?」とあっさり笑顔で言われたのです。あまりにもあっさりだったので拍子抜けしたのを覚えています。

「痛みも恐怖も人それぞれ。その人に合った方法で産んだらいいんだよ」と言われ、かなり心が軽くなりました。

そしてその後先生から詳しい話も聞き、ついに私は無痛分娩での出産をすることを決意したのです。

いざ出産!苦しい陣痛の先は穏やかな出産の時間

予定日をちょうど1週間過ぎ、運命の日はやってきました。夜中にお腹がキリキリと痛み出し、本格的に陣痛がついてから明け方に入院。

無痛分娩の主流である「計画無痛分娩」は、予定日より早い時期に計画的に入院をし、人工的に陣痛を起こしたあとに麻酔を入れるというものですが、私が産んだ産院は「自然陣痛を待ってから麻酔を入れる」というスタイルでした。子宮口がある程度開くまで麻酔が入れられないので、しばらく陣痛に耐えます。「屈強な大男がハンマーで腰を砕こうとしている!?」というのが私の陣痛の感想でした(笑)

極度の緊張で体中に力が入った状態のため、子宮口はなかなか開かず、明け方に入院してから7、8時間が経った頃にやっと麻酔が入れられることに。先生に処置をしてもらうとみるみる痛みが引き、陣痛の波に合わせてお腹が張るのが分かるだけになりました。
さっきまで死ぬほど痛かったのに、すごい!痛みが軽減され体の緊張がほぐれたのか、処置をしてから子宮口が一気に開いたと助産師さんに言われました。しかし、お腹の中の赤ちゃんはなかなか出てきてくれません。

それでも痛みがないので、駆け付けた夫や先生、助産師さんと談笑をして過ごすほどの余裕がありました。その日はサッカーのワールドカップの日本戦が行われる日だったので、「キックオフまでに生まれますか?」と先生に聞くと、私のお腹に向かって「おーい、君の母ちゃんはサッカーが気になるんだってさー!」と一言(笑)
痛みに翻弄されていたときは地獄のようだと感じたのに、みんなと笑い合いながら穏やかな出産の時を過ごせているなんて!

無痛分娩のメリットを感じながら、処置を受けて7時間後に3,800グラム超えのビッグベビーを産むことができました。
ちなみに、キックオフには間に合いませんでした(笑)

無痛分娩の種類やメリット・デメリットと周りの反応

・無痛分娩の種類とメリット・デメリット

現在行われている無痛分娩のほとんどは、脊髄の近くの硬膜外腔に麻酔薬を投与する「硬膜外麻酔」です。背中に針を刺すなんて怖い…と思う人もいると思いますが、硬膜外麻酔は一般的な手術で使用されている処置方法ですし、帝王切開の際にも使用されます。
赤ちゃんにも影響のない安全性の高い麻酔ですが、低血圧やかゆみなどの軽度な副作用から、血中の麻酔薬の濃度が高くなるといったまれに起こる不具合についても理解していなくてはなりません。

また、お産の時間が普通分娩より少し長くなる、鉗子や吸引による分娩になる確率が高くなるといわれています。実際長男は出産時、吸引分娩になりました。しかし同様に無痛分娩をした次男は吸引なしで出産したので、無痛分娩のせいかは定かではありません。
長男は3,800グラム超えの大きい子だったので、どちらにしても吸引されていたかもしれませんね(笑)

反対に無痛分娩のメリットは、疲労が少ない、産後の回復が早いということがあげられます。また、妊娠高血圧症候群などの持病を持っている場合は、赤ちゃんへの血流を減らさずに安全にお産ができるということで硬膜外麻酔による無痛分娩が勧められることもあるようです。
そして私のように痛みに対しての恐怖心が強い場合も、とてもリラックスした状態でお産に臨むことができるでしょう。

 

・私の周りの人の反応

実際に無痛分娩をしたことを周りに伝えたときの反応は、「興味がある」というものが多かったです。

しかし日本では無痛分娩に対して否定的な意見の人も多くいます。それは古くから日本が「痛みに耐えて出産する」ということを美徳としていることがひとつの理由のようです。
実際、4人の子どもを産んだ義母には私の2人目の妊娠が分かったとき、「次は普通に産むことね」と言われました。次も無痛分娩で出産しましたが(笑)

お産の形は十人十色

私は麻酔の効きが良く、処置を受けると痛みをほぼ感じないほどになりました。さらに赤ちゃんが大きくなかなか下りてこなかったので、普通分娩だったらかなりの痛みを感じていたのではないかと思います。
陣痛をしっかり味わうこともできたし、産んだ産院の無痛分娩の費用は相場よりかなり安かったです。

そのようなことから私は無痛分娩を選択してメリットをたくさん感じることができたので、2人目も同じ産院で無痛分娩により出産しました。

私個人の意見ですが、お産の形は人それぞれであって、その出産のプロセス自体はあまり重要ではないと思っています。普通分娩でも、無痛分娩でも、帝王切開であっても、「妊娠し、お腹で赤ちゃんを育み、出産した」という事実は紛れもなく、出産のプロセスによってその後の子育てが変わるとも思わないからです。

なによりも重要なのはその後のこと。出産してからが本当の戦いです。私や子育て中のママたちが今現在奮闘している、長い長い子育てが待ち受けていますから(笑)

無痛分娩というお産の選択肢

無痛分娩と一口に言っても条件や費用、完全無痛や和痛、計画陣痛や自然陣痛など病院によってさまざま。妊娠を考えている人は出産のひとつの選択肢として検討してみると良いかもしれません。

担当ライター