中川産科婦人科が救急蘇生講習を毎月開催する理由とは?中川聖子先生インタビュー

「もしもの時に、安心できる産院を選びたい」そんなプレママの声に応えるように、中川産科婦人科では医療安全への取り組みを徹底しています。とくに注目すべきは、「救急蘇生」の分野に注力しているところ。そこで今回は、中川産科婦人科の産科麻酔科医・中川聖子先生に、緊急時の備えについてインタビュー!ママと赤ちゃんの安全を支えるべく、日々努力を重ねる先生やスタッフのみなさんの活動をお届けします。
ママ目線を大切に『選ばれるクリニック』を目指す中川産科婦人科
中川産科婦人科ってどんなクリニック?
広島市中区・本川町に位置する中川産科婦人科は、50年以上続く信頼と実績のある産院です。院内は明るく清潔感のある空間が広がり、通院中もほっと落ち着けそうな空気が流れています。
中川産科婦人科といえば、まるでホテルのような心配りがされていることでも有名。たとえば出産後の食事はフレンチシェフが手掛けた豪華メニューが並び、見た目にも華やかで栄養バランスも考えられていると、多くの先輩ママからも好評です。
また、中川産科婦人科は無痛分娩にも対応しており、自然分娩だけではない選択肢があることも魅力。希望する場合は計画分娩になるため事前の相談が必要ですが、痛みや体力に不安があるというママにとっては、強い味方です。
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産院選びは「安心感」も基準に
中川産科婦人科は、至れり尽くせりのサービスが充実している一方で、安心感につながる医療も大切にしています。出産するクリニックを選ぶとき、施設の清潔感や快適さに目が向きがちですが、もう1つ重要なのが「もしもの時の対応力」。いざ出産を迎えた際、予測不能なことが起きる可能性はないとは言い切れません。そんな時、ママが少しでも安心できるよう、中川産科婦人科ではしっかりとした医療の土台づくりにも注力しているんです。
救急蘇生研修で安心を支える!中川産科婦人科の取り組み
中川産科婦人科では、万が一に備えてどんな活動が行われているのでしょうか。同院の産科麻酔科医であり、救急蘇生・母体救命のインストラクターとしても活躍する中川聖子(なかがわ まさこ)先生に伺いました。
【中川聖子医師】 久留米大学医学部卒業、広島大学医学部麻酔・蘇生科学教室入局。 広島大学医学部附属病院など数々の総合病院で経験を積み、現在は中川産科婦人科で麻酔科医師として活躍している。 ◆日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コースインストラクター ◆日本母体救命システム普及協議会J-MELSベーシックコースインストラクター |
中川産科婦人科には、優秀なスタッフが勢ぞろい!
※院外のNCPR講習会の様子
―救急蘇生が必要な場面に備え、どんな体制を整えていますか?
聖子先生「中川産科婦人科では、助産師・看護師をはじめ、スタッフ全員が「NCPR専門コース」や「J-MELSベーシックコース」などの救急蘇生に関する講習を受けています。」
NCPR専門コースは、新生児の呼吸や心拍が停止している場合に、適切な初期対応(新生児蘇生法)を行うためのプログラムなのだとか。J-MELSは、母体救命のために設立された「日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)」が主催となって開催する講習で、ママが急変したときにどう対応すべきかを学べると言います。
※院内の母体救命研修の様子
聖子先生「中川産科婦人科のスタッフはこれに加えて、NCPRのより実践的な「Sコース」や、指導者向けの「Fコース」も受講します。また、インストラクターとして活動も可能な「Iコース」を受講するスタッフも数名いるんですよ。」
なお、NCPRは5年ごとに内容が改訂され、常に新しい知識と技術の習得が必要とされるため、みなさん定期的に研修に参加しているそうです。
聖子先生は続けて、「ただ単に講座を修了して終わりではなく、スタッフ全員がより高みを目指している」と話してくださいました。
毎月1回の院内研修で万全な体制を維持
※院外のJ-MELS講習会の様子
―救急蘇生の研修を行う頻度はどのくらいですか?
聖子先生「院内研修は毎月1回程度、スタッフ全員が参加する形で実施しています。院外での研修は、それぞれが必要なタイミングで受けるようにしています。」
聖子先生によると、月1回の頻度で新生児蘇生法の研修を取り入れている病院は少ないのでは?とのこと。NCPRやJ-MELSといった、医療スタッフが定期的に受講する院外研修には、一般的に数年ごとのタイミングで参加するケースが多いと言います。
※院内の新生児蘇生研修の様子
―救急蘇生や母体救命の具体的な研修内容を教えてください
聖子先生「研修には、助産師・看護師・医師が参加します。専用の人形を使い、実際の緊急事態を想定したシミュレーショントレーニングを、母体と新生児で交互に行っています。」
中川産科婦人科で行う研修は、院外で開催される有料の講習とほぼ同じクオリティという本格派。毎回、テーマごとに違ったシナリオを用意しており、その場での判断力やチームの連携力を養います。たとえば、「突発的な出血が起きた」など、現場で起こり得るシチュエーションを再現。写真からも、緊迫した雰囲気であることが伝わりますね。
※研修を見守る聖子先生
聖子先生「研修を重ねるごとにスタッフの動きが洗練されて、今では私が口を出す機会も少ないんです。」
研修の様子を見守る聖子先生は、あえて実習中の口出しはしないのだとか。その分、研修後に良かった点・改善できる点を、丁寧にフィードバックしているそうです。
▽中川産科婦人科の助産師さんの仕事についてもチェック
救急蘇生研修に力を入れる理由とは?
―なぜここまで、研修に力を入れるのでしょうか。
聖子先生「研修を受けただけでは、いざという時に適切な行動がとれるとは限りません。大切なのは、“実際の現場で動けるか”。だからこそ、院内研修を繰り返し行う意味があるんです。」
―実際に研修が役立ったことはありますか?
聖子先生「未然に防いでいるため、実際の緊急場面に遭遇することはほとんどありませんが、スタッフ一人ひとりに“急変はいつ起きてもおかしくない”という意識が根付いているため、チームワークが向上し、それぞれが日々の仕事に自信を持って取り組めていると思います。」
聖子先生のお話からは、救急スキルを単なる資格としてではなく、現場で実際に使える技術として定着させたいという思いが伝わってきました。こうした地道な取り組みが、「もしも」のときにママと赤ちゃんを守る大きな力になっているんですね。
救える命を救いたい―現場に立ち続ける聖子先生の思い
実際に感じた「初期処置の大切さ」が現在の医療体制に
※聖子先生は他院からレクチャーを依頼されることもあるのだとか
―救急蘇生研修に力を入れるようになったきっかけとは?
聖子先生「中川産科婦人科では、20年以上前から緊急時に備えた医療体制を重視し、継続的に取り組んできました。私自身も、総合病院で救急対応をしていた頃に初期処置の大切さを痛感する場面が多くあり、スタッフ教育には一層力を入れたいと考えるようになったんです。」
聖子先生はご自身の経験から、どんなに設備の整った病院であっても、初期対応が十分でなければ守れない命があることを知ったと言います。中川産科婦人科が培ってきた医療体制を、聖子先生はスタッフ教育を通じてさらに強化。その結果、今ではスタッフ側から「そろそろ研修をやりませんか?」と声が上がることもあるそうです。
地域医療のこれからとクリニック選びの基準
―聖子先生が考える、地域医療に必要なこととは?
聖子先生「総合病院と同等の初期対応が、クリニックでも求められると考えています。そのためには、やはり日常的に研修を行い、スタッフ全員が実践的なスキルを身に付けることが重要です。」
日々の訓練が、安心と安全に直結すると言う聖子先生。自院に限らず、医療従事者は積極的に救急蘇生の講習に参加してほしいと呼びかけます。また、「学んだことを現場に持ち帰り、日々の診療に活かしてこそ意義が高まる」とも語っており、地域医療全体でスキルを高め合う姿勢の大切さを強調されていました。
―最後に、出産を控えたママたちへメッセージをお願いします!
聖子先生「患者さんは『何かあってもここなら助けてくれる』と信じて選んでくれていると思います。だからこそ、初期対応にミスは許されません。意識を高めることは私たちにとって当然のことです。産院選びでは、施設の快適さだけでなく、スタッフの危機対応力や、日頃のトレーニング体制にもぜひ目を向けてみてください。」
「安心して通ってもらいたいからこそ、当然のように備える」そんな聖子先生の思いが、ひしひしと伝わってきました。こうした意識が根付いているからこそ、中川産科婦人科は多くのママたちに選ばれているのかもしれませんね。
日々の努力がママと赤ちゃんを守る◎中川産科婦人科
中川産科婦人科では、出産というかけがえのない瞬間を万全な体制で迎えられるよう、スタッフ全員が高い意識を持って日々の研修に取り組んでいます。新生児の救急蘇生や母体救命など、緊急時に備えたスキルを磨く姿勢は、ママにとっても安心につながる大切なポイント。入院中の食事やサービスももちろん気になりますが、ママと赤ちゃんの命を守るためにも、産院選びでは医療体制もしっかりチェックしたいですね。
【医療法人 中川産科婦人科】
所在地 |
広島市中区本川町2-1-16 |
電話番号 |
082-231-2832 |
休診日 |
日曜、祝日 |
公式HP |
http://www.nakagawa.or.jp/ ※WEB予約可 |
公式Instagram |
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