広島ママインタビュー第9回『ヒンメリワークショップ講師 清水美雪さん』

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広島で輝くママへのインタビュー。今回は、ヒンメリ作りのワークショップを開催している、清水美雪さんをご紹介します。
以前は、ヒンメリとは無縁の人生を送っていた清水さん。そんな清水さんが“ヒンメリ作りの講師”として成功するまでには、知らない土地でのワンオペ育児、主婦だからとはねつけられた起業の壁など、さまざまな苦労があったそうです。
苦しい状況をバネに、新しいフィールドへ踏み出した、清水さんのストーリーをご紹介します。

おしゃれママに人気!光のモビール「ヒンメリ」の第一人者

ヒンメリは、別名『光のモビール』とも呼ばれる、フィンランドの伝統的な飾り。乾燥させた麦わらなどの、天然素材で作られています。そのナチュラルな質感や独特の形が、今おしゃれママたちの間で、「お部屋にひとつ飾るだけで、カフェみたいに見える」と大人気なんです。

このヒンメリを作るワークショップを行っているのが、今回ご紹介する清水美雪さん。ふたりのお子さんを育てながら、広島県内のカフェや公民館、依頼者の自宅などで、ヒンメリ作りの講師として活躍しています。
今では、さまざまなところから声がかかる人気講師ですが、最初から順風満帆だったわけではなかったそう
ヒンメリに出会うまで、そして講師として足元を固めるまでのお話をうかがいました。

雑貨の世界へのきっかけは、孤独感から始めた編みぐるみ

広島出身の清水さんは、結婚後すぐにご主人の転勤で、はじめて高知県に住むことになりました。当時はSNSなども普及しておらず、気軽に話せる相手も近くにいない環境。「1日中、誰とも話をしていない…」と寂しさを感じる日も多かったそうです。

そこで、孤独感を紛らわせようと“編みぐるみ作り”を始めてみることに。家事の合間や自分の都合に合わせてできるので、後に出産してからも、編みぐるみ作りを楽しんでいたそうです。

こちらは、当時作っていた作品の一部。あたたかみのある、かわいらしいデザインで、ほっこりしますよね!編み物が苦手な私からすると、かなりの腕前に見えますが、清水さんいわく「実は、最初は手芸が好きだったわけじゃないんです」とのこと。

しかし持ち前のセンスと粘り強さで、次々とクオリティの高い作品を完成させていった清水さん。ある日、高知県にある雑貨屋のオーナーさんから「うちで販売してみない?」と声をかけられたんだとか。それをきっかけに、本格的にインテリアや雑貨に興味を抱きはじめたそうです。

人生を変えた、ヒンメリとの出会い

こうして、編みぐるみを通して世界が広がっていった清水さんは、再びご主人の転勤で広島に戻ることになります。
同時に、思い切って自宅の一室に、自身の雑貨屋『zakka koppe』をオープンしました。
(※現在、zakka koppeはクローズ)

最初は趣味の延長として、年に1~2回、ヒンメリ作りを人に教えていた清水さん。しかし、次第に「趣味の延長ではなく、きちんとした仕事にしたい」と考えるようになったそうです。そこで、法人化を決意。このとき、大きな壁にぶつかることになりました。
起業家セミナーでは“主婦”というだけで、冷たくあしらわれ、「趣味で成功しようなんて100%無理」「キラキラしたいならキラキラママで集まっていればいい」など、心ない言葉をあびせられたのです
「この時は大泣きしました」と、清水さん。でも、涙が出るのは、その指摘が図星だったからだ、とも思ったのだそう。
それでも「絶対にこれは仕事として成り立たせたい。やれるだけのことはやろう!」と、自分を奮い立たせたそうです。

新たな“人との出会い”が突破口に

そんな清水さんの心をさらに奮い立たせてくれたのが、広島でオーダー家具を製作している『KAGU-YA(かぐや)』のオーナーさんのひとこと。雑貨の販売を通して知り合ったKAGU-YAのご主人に、「自分もヒンメリ作りをやってみたいけど、男だからワークショップがあっても参加しづらい。良かったら月に1回、お店でレッスンしてくれない?」と声をかけられたんだそうです。

自宅で教室を開いて生徒を集めようと思っていた清水さんにとって、このひとことは目からウロコ!「待つんじゃなくて、自分から行けばいいんだ!」と、出張教室を開くことを決意します。
さらに、KAGU-YAのご主人に「ヒンメリの第一人者と言われるようになるまで本気で頑張ってみたら?」と応援されたことで、周囲に否定されてばかりで落ち込んでいた心も、持ち直すことができたそうです。

今ではカフェや焼き菓子店など多くの場所で、ヒンメリ作りを教えている清水さん。自身で作ったヒンメリを販売するのではなく、あえて“人に教える”ことに重点を置き続ける理由も教えてもらいました。
すると「ヒンメリ作りは、簡単ではありません。だからこそ、その過程も楽しんでほしいんです」とのこと。子育て中のママも、働く女性も、ヒンメリを作っている間は、目の前のことに没頭する時間が持てますよね。日々慌ただしく生活しているみんなにとって、清水さんのワークショップが息抜きの場にもなっているそうです。

気になることを、1問1答♪

1日の過ごし方は?

子育てで心掛けていることは?

子どもの話や意見を、しっかり聞くことですね。夜ご飯を食べるときや寝る前に、必ずみんなで集まって会話をします。子どもが悩んでいそうなときも、「頑張って」とか「こうしたらいいんじゃない?」といった声かけはしません。「そうなんだ」と共感して、子どもが答えを出すのを待ちます。

壁にぶつかったときの、モチベーション回復法は?

仕事の面では、おしゃれなインテリアがアップされたインスタの投稿を見ます!「こんな方のお家に、ヒンメリを飾ってもらえたら素敵だろうな」とイメージすると、やる気が出るんです。
子育てや家事の面では、「子どもが生きていればいいや」と自分に言い聞かせて、手抜きの日もアリ!にしています。「江戸時代だったら、もっとツラかったはず」と思って、踏ん張ることも(笑)

広島で子育てするママへのメッセージ

育児に奮闘する毎日のなかで、悩みや悔しさをバネに、新たな人生を切り開いてきた清水さん。“しなやかで強い”という言葉がぴったりな方でした。

最後に、広島で子育て中のママへ、応援メッセージをいただきました!

「子育て真っ盛りの頃、私はしんどいときも周囲に『助けて』と言うことができませんでした。今になって振り返れば、そんなにひとりで抱え込まずに、どんどん誰かを頼ればよかったと思います。だから、今育児を頑張っているママたちにも『しんどい』と吐き出せる場所を作ってほしいです。少々手抜きをしても、大丈夫。“きちんとしよう”と思いすぎないでくださいね」

清水美雪さん♡この度はインタビュー企画にご協力いただきまして、本当にありがとうございました!
pikabu編集部、一同

担当ライター

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