出産のイメージが変わる!自宅出産で知ったお産の幸福感

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女性なら一度は耳にしたことのある「自宅出産」という言葉。この言葉を聞いて、みなさんはどのようなイメージを持たれますか?興味はあるけれど、お医者さんがいないから不安という方も多いかと思います。今回は、なかなか聞く機会のない自宅出産の体験談をご紹介!自宅出産のリアルな感想をお伝えします。

病院じゃないところで出産してみたい!

今回第二子となる男の子を自宅出産したのですが、第一子は自宅ではなく産婦人科で出産をしました。妊娠から出産までありがたいことに大きなトラブルもなく過ごせ、妊娠判明時から出産まで広島と大阪の先生にお世話になりながら出産を迎えることとなります。
当時私のまわりにはベビーラッシュが起きており、みんなが通っている道を私も選んだという状況でした。いざ陣痛が来て主人と一緒に産婦人科へ行き出産に向けて進んでいったのですが、そのときに感じたのが
「あれ、意外と一人で頑張る感じなのか?」
という違和感です。

長い陣痛の間LDRの部屋にずっと主人は一緒にいてくれたのですが、陣痛に耐え子宮口が開くまでは一人で耐えていました。娘が生まれたあとは産婦人科の先生に感謝の気持ちでいっぱいだったのですが、もし二人目を産むならば違う状況で産んでみたいなというのが私の率直な感想です。

長女を出産してから4年がたったある日、第二子の妊娠が判明。長女出産時に「次は違う状況で産んでみたい」と思っていたものの、今回は里帰りせず広島で産むことにしていたので流れに身を任せ産婦人科を受診しました。多分今回が最後の妊娠になるだろうから有意義なマタニティライフにしたいという思いからマタニティスイミングに通っていたのですが、そこで運命の出会いを果たすことになるのです。

決め手になったのは長女の存在

通っていたマタニティスイミングでは助産師さんが一緒に入水してくださっており、常にメディカルチェックが受けられる環境が用意されていました。34週を迎える頃、プールから上がったあとに助産師さんと話をしているとその助産師さん助産院を開いてらっしゃることが判明。

「そういえば私、助産院とか自宅で出産してみたいと思っていたんですよね」
となにげなく話すと、
「今何週?」
と質問がきました。週数を伝えると、
「本気で自宅出産してみたいならギリギリ間に合うよ」
と返答が。

もう臨月目前だったのでまさかの返答だったのですが、「やれるならやってみたい!」というのが私の本心でした。時間の猶予がないので主人が帰宅後すぐに家族会議を開き、私の本心をカミングアウト(笑)。話を聞いた主人の第一声は、
「なんで今頃!?今までみてもらってきてるし、そのまま病院で産んで!なんかあったら取返しつかへん!」
でした。主人の感想はもっともなものだったと思います。もう34週でしたからね(笑)。

私も自宅出産は初めてですし、まわりにも経験した友だちはいません。詳細を聞いて決断しようと思い、翌日助産院を訪れました。そこで自宅出産の流れ、いざというときはどういう対応が取られるのかなどを細かく説明してもらったのですが、私と主人の気持ちを固めたのは助産師さんの一言でした。
「自宅出産するとね、おねえちゃんがスッと赤ちゃんを受け入れられるんです。お母さんを赤ちゃんに取られたって、敵対心を持たないんですよ。」
衝撃の言葉でした。二人目を妊娠したと同時に、私が恐れていたのは長女のメンタル。繊細なところがある長女が、赤ちゃんが生まれることで不安定にならないかが心配でした。そんな心配を一蹴してくれた助産師さんの言葉は、私たち夫婦の背中を自宅出産に向けて押してくれたのです。

リハーサルを経ていざ本番!

自宅出産をすることに決めた数日後、分娩のリハーサルが行われました。基本的な流れが説明され、和室で産む場合やお風呂で産む場合、キッチンで産む場合などさまざまなケースを想定して予行演習を行います。

赤ちゃんの人形が入った大きなズボンを履き、赤ちゃんがどのように出てくるのかを助産師さんが主人や長女にレクチャー。この予行演習を行ったことで、長女の母性は爆発していました(笑)。赤ちゃんが誕生する仕組みを教えてもらったことで、私だけでなく家族全員が出産に向き合うことができます。

赤ちゃんが生まれたら主人がやらなければいけないことなどを教えてもらっている姿を見て、出産がすごく楽しみになりました。

至福の時間♡手厚い産後ケア

長女のときは長時間に及んだ分娩ですが、今回は陣痛が始まっても自宅から移動する必要がないので終始リラックスできていたおかげかスピード出産となりました。友人に「陣痛なう」のメールを送った1時間後には赤ちゃんが誕生しており、後で見返して驚いたのを覚えています。

長女の時は個人病院で出産しているので、個室&毎食ごはんが運ばれてくるというシステムだったのですが、今回は自宅なのでそういったサービスは一切ありません。それは仕方ないなと割り切っていたのですが、産後ケアは予想以上の内容でした。

自宅出産を支援してくれた助産師さんはアロマを積極的に取り入れている方で、分娩開始時からあらゆるアロマオイルを活用。体の状態に合わせたアロマオイルを、産後ケアにも積極的に取り入れてもらいました。自宅出産の場合は、産後5日間歩くことができません。トイレへの移動などもすべて四つん這い。そのため、しばらくお風呂に入ることもできないのです。そんな体を、アロマオイルを垂らしたお湯に浸したタオルで拭いてもらうのですが、これが本当に気持ちいい!タオルの温かさとアロマの香りで、お風呂に入るよりも気持ちよかったのを覚えています。

母乳分泌のためのマッサージも産後5日間毎日行ってもらうのですが、そのときもアロマの足湯をしながらなど本当にぜいたくな時間を過ごさせてもらいました。毎日自宅まで通ってもらえるので、不安なことがあっても都度質問できるのが本当にありがたかったです。

出産ってこんなに幸せなんだ!

長女の出産時は微弱陣痛が続き、最後は促進剤での出産となったので「出産=辛い」という印象でした。もちろん今回の自宅出産時も痛いことに変わりはないのですが、家族全員で出産に挑めたことで出産の印象は大きくチェンジ。病院での出産と違い、陣痛開始からずっと助産師さんが4人ほどそばに付き添ってくださるので、孤独感が一切ないだけでなく、お産の進み具合も常に教えてもらえるので最後まで冷静でいられました。

息子が出てきたときには主人、娘、助産師さんたちへ無意識に「ありがとう!」と連呼しており、感謝の気持ちがあふれ出していたのを覚えています。子どもを産むってこんなに幸せなことなんだということを、改めて感じられる機会となりました。

自宅出産という大きな経験をできたことに感謝

もちろん、さまざまな事情があって自宅出産に挑めない方もたくさんいらっしゃいます。助産師さんと常に連絡を取り合いながら、またリハーサルを重ねた結果無事に出産を行うことができました。「自宅出産ってこんなふうに行われるんだ!」ということを知っていただく機会になればいいなと思います。

 

担当ライター

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