復帰?転職?働くママに優しい企業の取り組みとは?

この記事をシェアする

出産後、職場復帰をするも育児と仕事の両立ができず、離職するママが多いですよね。そこで今回は、充実した子育てサポートを設けている広島市内の企業をピックアップ!広島市が実施しているモデル事業や企業表彰を参考にしながら、子育てしやすい環境を探し、公私ともに充実した毎日を過ごしましょう。

妊娠・出産後の仕事を続けにくい現実とは?

まずは、妊娠や出産後の女性が多く経験している、働く上での“壁”について見ていきましょう。

妊娠・出産はとてもおめでたいこと。多くの人に訪れてほしい素敵な事柄です。将来は何人家族にするか、マイホームを建てるかなど、これからの未来に希望ばかりの時期でしょう。しかし、いざ妊娠・出産を経験すると見えてくる現実があります。
それは子育てをしながら仕事をする大変さです。出産後、保育園や幼稚園に預け、めでたく職場復帰を果たしたママがいるとしましょう。妊娠前は男性と同じようにバリバリと働いていたママ。職場復帰後も通常業務に復帰します。子どもが規定の年になるまでは法定時短処置を受けられるので、いつもより短い時間で働くことも可能です。「以前は男性と同じようにバリバリ働いていたのだから、時短勤務なら育児と両立できるはず」と、思えてくるかもしれません。

しかし、子どもは病気をしやすいもの。保育園で流行りの病気をもらってしまえば元気になるまで看病が必要です。2~3日、長い場合は1週間ほど会社を休まなければならないことも…。その間の仕事の穴は誰が埋めるのでしょうか?人材が豊富な企業であればフォローもできますが、人材不足が叫ばれている中小企業においては、人が1人抜けるだけでもかなりの負担になります。人によっては、自宅にPCを持ち帰り、看病をしながら睡眠時間を削って仕事をこなすこともあるでしょう。自宅で対応できない業務内容の人であれば、休むたびに「誰か代わりに出られませんか?」と、代理で出勤できる人を必死に探す場合も珍しくありません。
保育園を預け始めたばかりのときは特に、子どもは体調を崩しやすくなります。看病のために何回も会社を休むことは、働くママならきっと一度は経験したことがあるはず。もちろん中には「しっかり看病してあげてね!」と言ってくれる会社もありますが、しわ寄せが他の人へいってしまう以上、何度も休みを重ねるうちに居心地が悪くなっていくケースも少なくないでしょう。
最終的に、ママは正社員からパートへ降りるか、仕事を辞めざるを得なくなることが多いようです。

さらに最初の子育てピークを乗り越えたとしても、小学一年生になると保育園と違い、夕方まで預かってくれる場所は減少します。いわゆる“一年生の壁”が働くママに立ちはだかるのです。何とか小学生まで仕事と育児を両立してきたにもかかわらず、この壁を乗り越えられず転職・退職を選ばざるを得ないことも…。

実際に、第一子妊娠前に働いていた人が出産後、育休を挟みながら働き続けられた実績について内閣府が調査してみたところ、2010~2014年の結果は

このように、半数近くが“退職”を選んでいることが分かります。

子どものライフスタイルに合わせての転職が苦にならないママなら状況を楽しむことができますが、せっかく培った技術やキャリアがある人はとてももったいないこと。できるなら、積み重ねてきた経験値やキャリアを維持しながら子育て期を乗り切っていきたいですよね。

そこで今回は、男女ともに子育てがしやすい企業を調べてみました。広島市の公式HPに働きやすい企業を紹介するページがあるので、その中から何社かピックアップしてご紹介します。

広島市がピックアップ☆子育て世代が働きやすい企業

広島市では、2006年から「広島市男女共同参画推進事業者」として模範になる企業を毎年表彰しています。働きやすい環境を整えている企業では、男女問わず子育てや介護がしやすく、公私ともに充実した生活が送れるでしょう。先ほど紹介した、子育てと仕事との両立に立ちはだかる壁も、今回紹介する企業でなら乗り越えられるかもしれませんね。ここからは、表彰履歴から直近3年分の表彰企業をご紹介します。

平成30年第13回表彰企業

中電技術コンサルタント株式会社

出典元:中電技術コンサルタント株式会社 公式HP

直近5年間で、育児を理由とした退職者ゼロの実績がある「中電技術コンサルタント株式会社」。先ほど、半数近くが産後に退職を選んでいるデータがあったにもかかわらず、退職者ゼロとは驚きですよね。育児による退職者ゼロを実現している秘訣は、フレックス勤務と時短勤務を併用できる制度や小学3年生までを対象とした看護休暇制度など、子育て支援制度が充実しているため。働きやすい環境を作るために積極的に女性の意見を取り入れている点も魅力のひとつと言えるでしょう。

株式会社フレスタ

出典元:株式会社フレスタ 公式HP

広島県民の食を支えるスーパー、フレスタを運営している「株式会社フレスタ」。病児保育の利用料金を会社が負担するなど、子育て世帯にはうれしい育児サポートを実施しています。さらに長時間労働の削減を強化しており、働きやすい環境づくりの結果、正規従業員の平均勤続年数を約6年以上伸ばすことに成功!その数字から、従業員の満足度も伝わってきますね。

詳しくはこちらの記事もチェック▼

平成29年第12回表彰企業

オタフクホールディングス株式会社

出典元:オタフクソース株式会社 公式HP

「オタフクホールディングス株式会社」は、時短勤務を小学一年生の9月までとし、看護休暇は小学六年生までが対象の、手厚い休暇取得が可能な企業です。大人でも病気のときは不安を感じやすいもの。小学生の間だけでも、しっかり看病してあげられるのは親としても子どもとしてもうれしい制度と言えるでしょう。また、社内での仕事と子育ての両立支援に積極的に取り組んでおり、平成23年以降育児休業の取得率は100%を保っています。

平成28年第11回表彰企業

株式会社福々庵

出典元:株式会社福々庵 公式HP

子育てをしながら起業した実績のある女性オーナーが設立した「株式会社福々庵」。店舗販売以外にも各種イベントに参加していて、休日のイベントでは子どもを同伴させてもいいシステムを採用しています。また、子ども1人あたり10日間の看護休暇を取得可能。起業を希望する女性を雇用し、経営ノウハウを伝授し、独立を支援している企業です。

一般財団法人広島県環境保健協会

出典元:一般財団法人広島県環境保健協会 公式HP

「一般財団法人広島県環境保健協会」は、有給扱いの介護休暇や半日単位の看護休暇など、法定基準よりも充実した休暇制度を設けています。男性社員を対象とした、育児のための1週間以上の休暇取得も促進。男性の子育て参加の機会を増やし、夫婦で育児がしやすい環境を手助けしています。

広島市発行のモデル事業冊子をのぞき見☆再就職しやすい企業は?

子育てしやすい企業の探し方は他にもありますよ!広島市で実施された「女性が再就職しやすい職場環境づくりモデル事業」に参加し、女性の働きやすい環境づくりを積極的に行なっている企業が、広島市のHPにまとめられています!こちらからも、いくつか企業をピックアップしてみました。

株式会社原青果

出典元:株式会社原青果公式HP

「株式会社原青果」は、女性の離職率軽減を第一に、ライフイベントにあった休暇制度を積極的に設けている会社です。半日有休や育児費用補助、小学校入学までの時短勤務など、子育てママに助かる制度が充実。さらに、子育てが落ち着いたママには正社員登用も勧めています。年代によってライフスタイルが大きく変化する女性にとって、働きやすい制度ですよね。制度が充実したことで女性だけでなく男性社員の休暇取得率も上がり、半日有休を利用して保育園のお迎えや学校行事に参加している社員もいるそうです。
また、会社が中央卸売市場内にあるため、市場内の保育園に子どもを預けている人は休憩時間などに授乳に行くなど臨機応変に対応してくれます。

株式会社ニックス

出典元:株式会社ニックス 公式HP

介護事業を中心とした「株式会社ニックス」は、女性従業員が大半を占めている会社です。こちらの会社では、職場の風通しを良くし、従業員の離職率を下げることに成功しています。以前は、出産を機に離職するケースが多く、人材の確保に悩まされていたそうです。そこで、保育事業部を立ち上げ、事業所内保育所や企業主導型保育事業所を設置。勤務と育児に対応できる環境を整えました。育児休暇中の従業員とも定期的に連絡を取り合い、「リハビリ勤務」を行い、スムーズに復職できるようにサポート。やむを得ず退職した人には「再入職パスポート」を発行し、いつでも復職できるように再雇用システムも導入しています。
介護業界は人手不足で希望通りの休暇が取れないことが多いですが、こちらの会社では従業員同士が協力し合える環境が整っていて、ほぼ希望通りの休みが取れるのが魅力です。

平和不動産販売株式会社

出典元:平和不動産販売株式会社 公式HP

地域密着型の不動産売買を行っている「平和不動産販売株式会社」は、女性のライフステージに沿った働き方を推奨している会社です。年代によって違う従業員の環境を考慮し、各世代にあった多様な働き方を用意。派遣、パート、準社員、正社員といろいろな雇用形態を設け、ライフスタイルに合った働き方を勧めています。準社員では、勤務時間や曜日を決め給与や賞与を決定。社会保険に加入することで、産休や育休にも手厚いサポートが受けられるようにしています。上司も育児経験者!その経験から、従業員の子どもが病気のときは自ら帰宅を促してくれるところも、働くママにとってはありがたいですね。

復職か転職か…ライフスタイルに合った選択を

家庭によってライフスタイルやライフイベントが異なるのは当たり前!出産や進級に合わせて自分たちのライフスタイルを見返して、今の働き方でいいのか、転職した方がいいのかをじっくり考えましょう。妊娠をする前に、育児がしやすい会社へ転職するのも一つの方法です。現在の職場で働き続けたい人は、一度就業規則などを読んで育児に関する制度がどうなっているか確認してみると安心ですね。
広島市内には、今回紹介した会社以外にも育児制度の整っている会社がたくさんあります。子育て期を過ぎてからも、長く続く自分の人生。長い目で見て働き続けられる企業と出会えますように。

関連記事はこちら▼

担当ライター

この記事をシェアする