学芸員有資格者が教える美術館マナー6つ!作品鑑賞中は話してOK!?

子どもと一緒に美術館へ行った経験はありますか?「静かな美術館で子どもが騒いだら迷惑かも…」「美術館にはベビーカーで入れるの?」といった不安や疑問を抱えているパパママは、実は多いのではないでしょうか。学芸員の資格を持っている筆者が、子連れで美術館を楽しむために知っておきたい「美術館マナー」について徹底解説。広島県内にある子連れのパパママにおすすめの美術館も紹介するので、チェックしてください♪
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そもそも美術館とは?子連れで楽しめるか知りたい!
そもそも美術館とは、博物館の1種で、特に「芸術作品」の収集・保存・展示・教育活動・研究をしている施設のことです。芸術作品を実際に鑑賞できる貴重な場として知られています。もちろん、子ども連れでも美術館のマナーを守って鑑賞すれば、楽しめること間違いなし!芸術作品を鑑賞することは、子どもの感性や創造力を育み、視野を広げることにも繋がるといわれています。現在はSNSが浸透し、インターネットで検索すれば簡単に芸術作品を見られますが、子どもの頃に「実際の絵画」を見ることでしか得られない感動も!
広島県内には、子ども向けのワークショップやイベント、大人も子どもも楽しめる企画展を開催している美術館が豊富にあるので、まずは気軽に美術館へ足を運んでみてください!
広島県にある子連れで楽しめる美術館は?3館ピックアップ♪
ここからは、広島県内にある子連れのパパママにおすすめの美術館をご紹介。それぞれの特徴をチェックしましょう♡
・【広島市中区】絵本原画の特別展を開催することがある「ひろしま美術館」
広島県で1978(昭和53)年にオープンした美術館で、丸いドーム型の展示室とゆるやかな回廊が特徴的。ベビーベッドや授乳室があるうえ、ベビーカーの貸し出しも行っているので、小さい子ども連れでも訪れやすいのが嬉しいポイント。子どもにとって親しみのある「絵本」の原画を展示する特別展を行っていることもあるので、事前にチェックするのがおすすめです♪
住所 |
広島県広島市中区基町3-2 中央公園内 |
電話番号 |
082-223-2530 |
開館時間 |
9:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 |
特別展会期中以外の月曜日(※祝日の場合は翌平日) |
公式サイト |
・【広島市南区】無料で託児利用ができる「広島市現代美術館」
広島県で1989(昭和64)年に、国内で初めて現代美術を扱う公立の美術館として開館しました。中学生以下は無料で入館できます。ベビーカーの貸し出しや授乳室が用意されているのに加え、無料の託児サービス(2歳以上の未就学児)※がある点が子連れのパパママには嬉しいポイント♪毎週日曜日には親子で楽しめる無料のワークショップも行っているので、気軽に訪れやすいですね♡
※要予約
住所 |
広島県広島市南区比治山公園1-1 |
電話番号 |
082-264-1121 |
開館時間 |
10:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 |
月曜日、年末年始 ※月曜日が祝休日、8月6日にあたる場合は開館し、その翌平日休館 |
公式サイト |
・【広島市中区】子ども向けのギャラリートークが開かれている「広島県立美術館」
広島で1968(昭和43)年に、中国地方初の公立美術館として開館。高校生以下は無料で入館できます。ベビーカーの貸し出しや授乳室はもちろん、幼児用トイレも完備しています。特別展の開催期間は託児サービスも行っている場合があるので、事前に確認しておくのがおすすめです♪毎月第4土曜日には、所蔵作品展でボランティアガイドによる「親子ギャラリートーク」が行われているのも特徴の1つ。主に小学5、6年生と保護者を対象にしたサービスです。気になる人は、美術館に問い合わせてみてくださいね!
住所 |
広島県中区上幟町2-22 |
電話番号 |
082-221-6246 |
開館時間 |
9:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 |
月曜日、年末年始 ※特別展によっては会期中・祝日・振替休日を除く |
公式サイト |
学芸員有資格者が教える!美術館に行く前に知っておきたいマナー
学芸員有資格者である筆者が、子どもと美術館へ行く前に、これだけは知っておきたいNGマナーを3つピックアップ!詳しく解説します。
・インクを使う筆記用具の持ち込み禁止!メモは鉛筆で
出典:photoAC
美術館では、作品がインクで汚れるのを防ぐため、ボールペンや万年筆など筆記用具の持ち込みは禁止されています。先端部分が尖っているシャープペンシルも、作品を傷つける恐れがあるため使用できません。子どもと一緒に、作品についてメモを取ったり、模写したりしたい場合は鉛筆を持って行きましょう♪
・飲食はNG!基本的には専用スペースへ
美術館内では、作品保護のため基本的に飲食NG!食べかすや飲みこぼしが虫やカビの発生のもととなるためです。子どもが、もし作品鑑賞中にお茶やミルクを欲しがった時には、授乳室か飲食スペースへ行くようにしてください。観賞途中で退場してしまっても、スタッフへ声をかけておけば基本的に再入場が可能です。美術館によっては、カフェやレストランが設けられていることもあるので、上手に活用しましょう♪
・撮影禁止!光に弱い作品もある
美術館に展示されている作品の中には「撮影禁止」と書かれているものが多いですよね。実は、この理由はフラッシュの「光」に弱い作品があるから。特定のエリアや作品のみ「撮影可能」な場合もあるので、展覧会へ訪れる前に確認するのがおすすめです。
これは知っている?美術館で実はOKなこと
子どもと美術館へ行く前に確認してほしい!知っておくと美術館をもっと楽しめる、実はOKなマナーを3つご紹介♪
・「話してはダメ!」と思われがちだけど…実はOK?
「美術館では静かに作品を鑑賞しましょう」と言われた経験がある人は多いのでは?実は、美術館には「話してはいけない」という明確なルールはありません※。海外の美術館では、むしろ作品の前で対話している光景がよく見られます。日本でも、基本的に他の人の迷惑にならないほどの音量であれば感想などを自由に話してもOK!美術館によっては、声の大きさを気にせず鑑賞できる「トークフリーデー」を設けているところもあります。作品を見ながら「作品のここが素敵」「何が描かれているのかな?」など気軽に会話すれば、子どもも芸術に興味を持ちやすくなるかもしれません♪
※美術館によっては作品保護のためNGとしているところもあります
・作品の中には触って良いものもある!?
美術館の作品は、全て触れてはいけない…わけではありません!場所・空間をつかった現代アートのインスタレーション作品や彫刻など、「触れても良い」と書かれている展示作品も。触れても良い作品だけを集めた展覧会を開催している美術館もありますよ。子どもと一緒に「ツルツル」「ごつごつ」など、目で見るだけでは分からない感覚を楽しんでみて♡
・知っていた?疑問があれば学芸員に質問してもOK
美術館で「この作品には何が描かれているのだろう」「どんな画材が使われているのかな」と疑問に思ったことはありませんか?実は、質問があれば学芸員や美術館スタッフへ問い合わせてOK!作品解説アプリ「ポケット学芸員」や、音声ガイド、学芸員のギャラリートークを導入している美術館も多いので、学芸員が常駐していない美術館だった場合は上手に活用して♪子どもと一緒に芸術作品への理解を深めてみてはいかがでしょうか。
マナーを知っていれば子どもと一緒に美術館を楽しめる!
美術館は、子どもと一緒に「芸術について楽しく学べる」施設です♪鑑賞マナーを事前に知っていれば、今まで以上に親子で楽しく作品鑑賞できること間違いなし!行楽シーズンに、子どもと一緒にぜひ「美術館」へ行ってみてください♡
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担当ライター