お年玉はマネー教育のチャンス!渡し方・使い方を広島ママに聞いてみた

年末年始の恒例行事といえばお年玉。「大切に使ってほしい」「お金の価値を知ってほしい」と願うママ・パパは多いのではないでしょうか。お年玉は、子どもにとっても一年の中で特別なお金です。だからこそ、金銭感覚や計画性、感謝の気持ちまで育てられる“マネー教育”のチャンス。今回は広島ママへのアンケートをもとに、リアルなお年玉事情と、親子でできるお金の学び方をご紹介します。
★掲載情報は変更になる場合がありますので、公式サイトやSNSで最新情報をご確認ください。
みんなどうしてる?広島ママのお年玉事情

お年玉は、年齢や家庭の考え方によって渡し方・管理方法はさまざま。まずは、広島のママ・パパたちが実際にどのようにお年玉を扱っているか、アンケートで多かった声をご紹介します。
現金派が多数?お年玉の渡し方、どうしてる?
アンケートでは「全て現金で渡す」という声が多く見られました。「もらった実感がある」といった意見が中心で、特に未就学児〜小学校低学年の家庭では、目に見える形を重視しているようです。一方で、学年が上がるにつれてキャッシュレスで対応しているという家庭も。年齢や成長段階に合わせて、渡し方を変えている様子がうかがえます。
〈子育てママ・パパの回答〉
- 「4歳で初めてお年玉を渡すので、まずは少額の小銭からにしました。」(30代・未就学児1人のママ)
- 「たくさんお金をいただいたことを実感してもらえるように、それから、何を買ったらどのくらい減る、というのが目で見てわかるように現金で渡しています。」(30代・未就学児、小学生、中学生の3人のママ)
- 「本人が便利だと言うので、キャッシュレスにしています。」(30代・未就学児、小学生、中学生の3人のママ)
お年玉の管理方法は親が管理or子どもに任せる?
管理方法で多かったのは、「全額を親が管理する」「一部を子どもに渡し、残りは親が管理する」というスタイル。特に小さいうちは、「金銭感覚がまだ育っていない」「すぐに使い切ってしまいそう」といった理由から、親が預かる家庭が多いようです。その一方で、「使う経験も大切にしたい」と考え、年齢に応じた金額を渡し、子どもに任せるという家庭も見られました。
〈子育てママ・パパの回答〉
- 「全額渡すと金銭感覚が狂いそうなので、年齢に適した金額だけ渡します。余りは子どもの口座に入れています。」(40代・小学生、中学生の2人のママ)
- 「子どもの将来のために貯蓄しておきたいので、親が全額管理しています。」(30代・未就学児2人のママ)
- 「大学生なので、全額本人に任せています。」(50代・高校生以上の子を持つママ)
お金の話、子どもとしてる?家庭ごとのリアルな声も
お年玉を渡すタイミングでお金の話をしたことがあるかという質問では、「簡単に話したことはある」と回答したママ・パパが多く見られました。話題として挙がったのは、「お金は働いてもらえるもの」「計画を立てて使うことが大切」といった内容。一方で、「話したい気持ちはあるものの、どう伝えればいいか分からない」と悩む声も少なくありませんでした。
〈子育てママ・パパの回答〉
- 「お母さんがこの金額を稼ごうと思ったら、〇時間以上働かないと稼げないということ。お手伝いがお仕事のあなただったら、何回お手伝いをしないといけないですか?と実生活に金額を当てはめて考えてもらいます。」(40代・小学生1人のママ)
- 「子どもに渡すお金は計画的に使うように言って渡し、口座に入金するお金は将来必要なものを買うために貯金しているお金、と話しています。」(40代・未就学児、小学生の2人のママ)
なぜお年玉は“マネー教育のチャンス”なの?

お年玉がマネー教育に向いている理由のひとつは、「一度にまとまった金額を手にしやすい」ためです。普段は数百円〜数千円程度のお小遣いでも、祖父母や親戚からもらうお年玉を合わせれば大きい金額になることも多く、子どもが自分で選択し、やりくりする場面が自然に生まれます。
また、2022年度から高校で金融教育が必修化されたこともあり、家庭でのマネー教育への関心は高まる一方です。「早いうちからお金について教えたい」という方も、お正月の家族団らんの時間に「お年玉」という分かりやすい題材を使うことで、親子でお金について考えるきっかけを作りやすくなります。
アンケートから見えた!親子でできるお年玉マネー教育のポイント

今回のアンケートからは、お年玉を子どもに渡す際に、各家庭でさまざまな工夫をしていることが見えてきました。そこで最後に、親子で実践しやすいお年玉マネー教育のポイントをご紹介します。
「渡し方」はお金の動きが見える工夫をする
アンケートでも多かった「現金で渡す」方法は、未就学児や小学校低学年のうちは特におすすめです。お金の重みや、使うと減る感覚を目で確認できるため、「お金を払うと物が買える」「足りなければ買えない」といった基本が自然と身につきます。年齢が上がってきたら、通帳への入出金を一緒にしたり、キャッシュレス決済やプリペイドカードを使って「使った分だけ数字が減る」様子を見せたりするのもひとつの方法。年齢や本人の理解度に合わせて、お金の動きが見える形を意識するとよいでしょう。
「使い方」は4つのルールを軸に一緒に考える
お年玉は、ただ使うだけでなく、お金のさまざまな役割を知るチャンスでもあります。基本となるのは以下の4つのルール。
|
自分のために使う |
・ほしいおもちゃやゲーム、おやつを買う など |
|
貯める |
・通帳や貯金箱に入れて将来のために残す ・欲しいものができたときのために取っておく など |
|
人のために使う |
・家族や友だちへのプレゼント、祖父母へのお礼、寄付や募金 など |
|
育てる |
・子ども名義口座で親が資金運用する ・こども支援NISA※を利用する など |
※こども支援NISA……2026年度スタート予定の、子ども名義で長期の資産形成を後押しするために導入される非課税投資制度のこと
幼いうちはお金の価値を一人で理解するのが難しいため、親が一緒に考えながら、「今すぐ欲しいもの」「将来欲しいもの」などをリスト化し、どれを優先するか話し合うのがおすすめ。また、「人のために使うお金」は、誰かを思って自分のお金を使う経験につながります。
近年は投資やNISAに関心を持つ家庭も多く、アンケートでも「投資を経験させてみたい」という声が複数ありました。中には、実際に子ども名義で口座を作り、少額で株を買わせてみたという家庭も。まずは「考えて使う」「貯める」の土台を育て、家庭に合ったタイミングで「お金を増やす考え方がある」と伝えていきましょう。
「お金の価値」と「感謝の気持ち」をセットで伝える

「お年玉を使う楽しみも味わってほしいけど、お金の大切さも知ってほしい」というのが多くの親の本音。一方で、「どうして自分のお金なのに自由に使えないの?」「友だちや兄弟より少ない」と感じる子どもの気持ちも自然なものです。まずはその思いを受け止めたうえで、「お金は働いた対価であること」「誰かの時間や労力の結果であること」を伝えていきましょう。言葉だけで伝えるのが難しい場合は、お金をテーマにした絵本や、親子向けのマネーイベントを活用するのもおすすめ。物語や体験を通して学ぶことで、「お金は大切に扱うもの」という感覚を無理なく身につけられるでしょう。
また、アンケートでは「大事なお年玉をくれるおじいちゃんたちはあなたのことを大好きなんだよ。素敵な大人になってね。(30代・未就学児、小学生の3人のママ)」と気持ちを伝える回答も。金額の多さではなく、お金の価値や使い方、感謝の気持ちに目を向けられるような声かけを大切にしたいですね。
今年は親子でお年玉を使って、お金について考えてみよう!
お年玉の渡し方や管理の仕方、お金の話の内容は家庭ごとにさまざまですが、共通しているのは「お金を大切にしてほしい」というママ・パパの願い。マネー教育で重要なのは、お金を渡して終わりにせず、どう使うか・どう考えるかを親子で話す時間を持つことです。今年のお正月は、ぜひ親子で一緒に楽しみながら、お年玉の上手な使い方を学ぶ時間にしてみてくださいね。
関連記事はこちら▼
担当ライター
































