これって地域差?お食い初めで学んだ“両家の習慣の違い”に板挟みにならない方法

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広島出身の私と、転勤で他県からやってきた夫。息子のお食い初めで、地域の習慣による違いに悩まされました。実の親と義両親の「孫がかわいい」という気持ちがわかるからこそ、どちらにもハッキリ言えなくて板挟みに。そのときの経験や学んだことについてお話します。

両家にとって初孫!待望のお食い初めも間近に迫ってきた

わが家の息子は、両家にとって初孫です。親たちは孫の誕生を心待ちにし、ありがたいことに生まれる前からたくさんのプレゼントを贈ってくれていました。
産後すぐは慣れない育児で私も気持ちに余裕がなく、お宮参りは夫と息子の家族3人だけで簡単に済ませることに。そのため、地域による違いには気になりませんでした。目の前の育児に必死で、それどころではなかったというのもあるかもしれません。しかし、親たちの「孫の顔が見たい」という想いを痛いほど感じ取っていたため、夫と話し合って百日祝いであるお食い初めは両家の親を自宅に招いて行うことに。
夫の実家が遠方ということで早めに日程を調整し、お食い初めのやり方も調べてすっかり安心しきっていた私。まさか、親たちの「孫になにかしてあげたい」という気持ちが原因でこれから先アタフタすることになろうとは、このときまったく想像もしていなかったのです。

どちらの顔も立てようとしたら大変なことに

広島が絶対そうとは限りませんが、わが家ではお食い初め用の御前には歯固め石を用意する認識です。
実母は「お食い初めや初節句は母方の実家が用意するものなのよ」と張り切り、食器や鯛にはじまり歯固め石まですべて楽しそうに注文していました。しかし、ここで問題発生。すっかり忘れていましたが、義母はとにかくなんでも私がやってあげたい!というタイプです。さらに、私を心配して育児についても度々アドバイスをくれます。
いつものように電話をしていると「食器買ってきたよ~!タコも歯固めの意味で必要なのよ、知り合いのお店に配送を頼んでおいたからね」と嬉しそうに教えてくれました。しまった!と思ったときには、もう手遅れ。
そう、みなさんもお気づきの通り、お食い初め膳を盛りつける食器と、歯固めの儀式に使うものがダブってしまったのです。すでに手配している様子だったため、どちらにも「母(お義母さん)が買ってくれた」とは打ち明けられず…。私はひそかに、届いたものはどうにかすべて取り入れよう!と決意するのでした。

ついに迎えた当日!ちぐはぐでも楽しければOK?

険悪なムードにならないかな?とドキドキで迎えたお食い初め当日。食器を使い切るためにたくさんの料理を用意することになり、準備だけでもヘトヘト、統一感もまったくありません。
さらに歯固め石とタコがどちらも登場するという、なんともちぐはぐなお膳になってしまいました。親たちには「ちょうど同じタイミングだったもんでね…ハハハ。せっかく用意してくれたのに、なんかゴメンね」と苦しまぎれに説明しましたが、幸い実母も義母もプラス思考。「食器は離乳食にも使えるからたくさんあったほうがいいし、歯がすごく丈夫になりそうじゃない?食べものにも困らなさそうだし、縁起がいいじゃない」と笑い飛ばしてくれたのです。
おかげでお食い初めの儀式は終始なごやかに進み、ホッと胸をなでおろしました。そのとき「広島では五月人形も女性側の実家が用意することが多い」という話題も登場。
初節句は、カブトを実の両親が、鯉のぼりは義両親が用意してくれることになりました。こうして、お互いの親が顔をつき合わせて会話をすれば、問題なく話はまとまることを思い出した私。ただし、日頃はそう気軽に集まるわけにもいきません。息子が1歳を迎えるまでは親を巻き込む行事も多いことから、間に入る私たちの調整力が必要なんだと痛感しました。

行事は私たちのスタイルで!決定事項として伝える

なんとかお食い初めの儀式を終えたあと、次に迎える初節句はどうしようかとぼんやり考えてみました。
カブトと鯉のぼりは話がまとまりましたが、食事の支度などもあるし、親たちがまた孫かわいさに張り切って準備してくれる姿が目に浮かびます。そこで次は、日程を調整する前にこちらで詳細な段取りまですべて決めてしまうことに。「内祝いを兼ねているから、食事は私たちにすべて任せてね!ちまきや菖蒲もいいお店を見つけたし、凧揚げはしません」と決定事項として伝えました。
それまでは、行事は親たちが納得するよう伝統的なやり方にしたいと思っていましたが、私たちのスタイルでいいんだと思うようにしたのです。内祝いも地域によってマナーも違うし、先に食事への招待が内祝いのつもりだと伝えておくことで、お祝い返しをした・しないのすれ違いを防ぐこともできました。
はじめての育児で、それまでは私も心のどこかに親がやってくれるという期待があったのかもしれません。自分たちですべてこなすつもりで準備するようになってからは、親たちもお祝いを包んでくれたり事前に必要なものを聞いたりしてくれるようになりました。

感謝の気持ちをしっかり伝えれば大丈夫

親たちが孫を大切にしてくれることは、当たり前ではありません。すごくありがたいことですよね。しかし地域によっては、広島とは風習が違うところもあります。今回のお食い初めでのエピソードのように、してもらうことが悩みの種になる場合も。今回感じたのは、もっと「こうします」とか自分の考えを伝えていいんだということです。きちんと「ありがとうございます」と伝えれば、それだけ愛情深い人ならきっと理解してくれるでしょう。

担当ライター

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