尾道・山波小学校の児童がRPG「カーボンクエスト」に挑戦!CO2削減を楽しく学べる特別授業に注目

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2024年1月、尾道・山波小学校で開催されたのは、カードゲーム「カーボンクエスト」を使った特別授業!実はこちら、CO2削減につながる地球温暖化対策「カーボンニュートラル」を楽しく学べるゲームなんです♪最初は難しそうな言葉に構え気味だった子どもたちも、遊び終わる頃には「このゲーム欲しい!」と大盛り上がりに。今回はそんな楽しい特別授業の様子と、尾道・松永湾で進められている干潟再生活動についてお伝えします!

尾道・山波小の5年生が挑戦!「カーボンクエスト」の特別授業が開講

【2024年1月】尾道・山波小で開催された「カーボンクエスト」の授業とは?

2024年1月19日(金)、尾道市・山波小学校で開催されたのが、5年生を対象にした特別授業。地球温暖化対策として注目の「カーボンニュートラル」について子どもたちが学習しました。
親としてはぜひ、わが子にも知っておいてもらいたい地球の環境問題のこと。とはいえ、ちょっと難しいテーマでもありますよね。しかし、この日の授業はちょっと変わった教材のおかげで大盛り上がりでした♪

その教材とは…こちらのカードゲーム「カーボンクエスト」!

カーボンクエストは、広島青年会議所のカーボンニュートラルシティ委員会の方々によって考案された広島生まれのカードゲーム!RPGを楽しく遊んでいるうちに、カーボンニュートラルの仕組みが自然と理解できる内容となっているんです。

まずは、練習として簡単なルールで対戦することに。このゲームは一般販売されていないそうで、子どもたちは全員初挑戦!しかし、あっという間にルールを理解して、楽しんでいましたよ♪

ゲームの後は、外部講師の淺野さんによる、カーボンニュートラルの講義がスタート!「小学生でもCO2削減のためにできることはある?」という観点から、みんなで一緒に考える時間です。テーマ自体は難しいのですが、事前に「カーボンクエスト」で遊んだおかげでしょうか。子どもたちもスッと理解しやすかったようです。

実際のCO2排出量と削減量について身近な例を出しながら、「CO2は出すのは簡単、でも減らすのは大変」と訴える淺野さん。子どもたちの多くは、淺野さんから伝えられた現状に衝撃を受けたようでした。淺野さんは、さらに「CO2排出量を減らし、削減量を増やすことは、大人の仕事のように思うかもしれないが、小学生のみんなにもできることはある」と続けます。

“では、どんなことから始めていけばいいのだろう?”…子どもたちがCO2削減の取り組みに興味を持ったところで、いよいよ「カーボンクエスト」の本格対戦に挑戦です!

カーボンクエストとは?楽しみながらカーボンニュートラルを学ぶ授業

ここからは、子どもたちの様子とともに、「カーボンクエスト」の遊び方についても簡単にご紹介しましょう♪
まず、「カーボンクエスト」の登場人物は、敵のカーボンドラゴンと主人公であるプレイヤー

カーボンドラゴンのカードには、ファイヤードラゴンやフードロスドラゴンなどがいて、カードに書かれた数値分、CO2を排出します。

一方、プレイヤーのカードには、企業カード・便利カード・CO2削減カードの3種類があり、それぞれに「CO2削減につながる取り組み」「CO2削減量」などが書かれています。
例えば、「環境配慮マークのついた商品を買う」というのは“CO2削減カード”のひとつです。便利カードは困ったときのお助けカード。そして、企業規模で行う「太陽光発電」や「ブルーカーボン」などの“企業カード”は、削減量も多いため、ゲーム上でも強いカードとなっています。

プレイヤーが目指すのは、カーボンドラゴンカードが排出するCO2量を、プレイヤーカードを使って削減し、ゼロ(ニュートラル)にすること。
ゲーム終了時、CO2排出量=CO2削減量となったプレイヤーは「ニュートラル!」と宣言し、ゲームの勝者となります。(※ニュートラルが1人もいない場合には、一番数字がゼロに近いプレイヤーが勝ち)

勝負で勝つためには、カーボンドラゴンカード、プレイヤーの内容をしっかり読み込んで、理解することが大切。こうしてCO2削減につながるさまざまな取り組みとその効果について楽しく知ることができる、というわけですね♪
ちなみに、「カーボンクエスト」の“ニュートラル”を達成したのは、授業全体でなんと40名中1名のみ…!これは、CO2削減の難しさがリアルに伝わる結果ですね!

「カーボンクエスト」の授業に参加した子どもたちの感想は?

「ゲームそのものがとても面白かった。またやってみたい販売していないの?」
「ドラゴンが出すCO2の量をなかなか減らせないと思った」
「給食の食べ残しはやっぱり問題だ。食べ残しをしないようにしたい
「使っていない電気のスイッチを切る、暖房の設定温度を高くしすぎないなど身近なことでできることはある」

「カーボンクエスト」の魅力は、カーボンニュートラルについて楽しく理解できるだけでなく、ゲームとしてもしっかりハマる面白さがあるところ。授業で遊んだおかげで、「CO2を増やすのは簡単だけど、減らすのは大変」ということを子どもたちがしっかり理解できたようです。
あっという間に授業終了時間となり、「もっと遊びたかった!」と名残惜しそうな子どもたち。歓声が飛び交い、熱気に包まれる楽しい授業となりました♪

尾道「令和の里海づくり」とは?干潟再生活動の一部をご紹介♪

実は、今回開催された山波小の特別授業は、尾道・松永湾で進められている「令和の里海づくり」の活動のひとつ。山波小ではこれまでにも何度か特別授業が行われており、子どもたちも一緒になって取り組んでいるプロジェクトなんです♪

尾道・松永湾を豊かな里海に!「令和の里海づくり」プロジェクトとは?

尾道市の東側に広がる松永湾は、かつて“山波のアサリ”の産地としても知られた海です。しかし、90年代以降にアサリの漁獲量が激減したことから、地道に干潟再生活動が行われてきました。2023年度からは、全国の内湾・内海の保全や再生を目的として環境省が進めているモデル事業「令和の里海づくり」尾道市が参加。ここ数年で地域での認知度も高まり、活動の幅も広がってきています。

松永湾の干潟を、再び潮干狩りが楽しめるスポットに…

干潟再生につながる重要な活動のひとつとして実施されているのは、アサリサイトの造成です。定期的にアサリの散布を続けてきたことで、干潟にはしっかりと稚貝が息づき、生育場として整ってきつつあるとのこと…!このまま順調にアサリが増えていけば、漁場としてだけでなく、潮干狩り場として多くの人が訪れる場所になる日も近そう♪

▶アサリサイトの造成についてはこちらもチェック!

また、松永湾の浅瀬ではアマモ場の再生も進められています。アマモは、水質改善をもたらすだけでなく、CO2削減につながる“ブルーカーボン”のひとつ。

山波小では、子どもたちによるアマモの種植え体験も行われました♪このときのアマモは、春まで子どもたちの手で育てられるとのこと。

ちなみに11月に植えたアマモの種は、現在、元気に成長中!芽が出てきているそうですよ♪

▶アマモの種植え体験やブルーカーボンについてはこちらもチェック!

松永湾の活動のゴールは、かつての広島の“里海”として干潟再生するだけにとどまらず新たな価値人とのつながりが加わった海としてバージョンアップすること。活動が実を結ぶ頃には、きっと多くの人が自然と集まるような活気ある海となっていることでしょう。

カーボンニュートラルの実現へ!松永湾の活動にこうご期待!

「カーボンクエスト」を使った特別授業は、子どもたちからも大好評だった様子。CO2の実際の排出量社会のさまざまなCO2削減への取り組みを知るいい機会となったようです。「令和の里海づくり」ではこれからも、大人から子どもまで楽しく参加できる活動を続々と計画中とのこと。ぜひ今後の活動も注目しつつ、松永湾の発展を応援していきましょう!

【尾道東部漁業協同組合】

所在地 

722-0062広島県尾道市向東町12635番地の2 

電話番号 

本活動に関するお問い合わせは以下までお願いします。 

お問い合わせ先:ひろぎんエリアデザイン(株)淺野 

080-9954-7837 

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担当ライター

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