尾道・松永湾「令和の里海づくり」参加者インタビュー♪貴重な体験がたくさんできる活動!

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尾道の松永湾では今、干潟再生プロジェクト「令和の里海づくり」が進行中!子どもから大人まで参加するちょっと珍しい活動が話題になっています♪今回は、そんな松永湾の活動に参加する方にインタビュー!活動の様子や目指していることなど、たっぷりと語っていただきました。「そもそも干潟再生ってどんなことするの?」という方にも、これまでの活動をダイジェストでご紹介。尾道に潮干狩りスポットが復活するまでの道のりに、今から一緒に注目していきましょう!

尾道・松永湾で進行中の「令和の里海づくり」ってどんな活動?

尾道市街地の東側に広がる松永湾は、周囲を陸地で囲まれている“内湾”。このような海域は全国にいくつかあり、波が穏やかなことから漁場として活用されることも多いようです。しかし内湾はその地形上、汚染物質を含んだ海水が溜まりやすく、水質が悪化しやすいというデメリットも…。そんな内湾の環境を改善すべく進められているのが、環境省のモデル事業「令和の里海づくり」です。

「令和の里海づくり」の目的は、全国の内湾(内海)とその沿岸を生き物がたくさん生息できる場所として保全・再生を行うこと。その活動の先には、地域と共生する“里海”の復活や、海の環境問題の改善も期待されているんだそう…!

尾道・松永湾もかつては豊かなアサリ漁場でしたが、90年代以降は漁獲量が激減。10年程前から干潟再生活動が続けられていたものの、なかなか軌道にのらない時期もあったといいます。
それが数年前、いよいよ本腰を入れて取り組もうとリスタート!2023年度からは尾道・松永湾も「令和の里海づくり」に参加することになり、アサリの散布アマモ場の再生などさまざまな活動が行われているんです。

潮干狩りに出張授業も!尾道・松永湾「令和の里海づくり」の活動を紹介

さて、ここからはpikabuでもご紹介した、尾道・松永湾「令和の里海づくり」の活動の一部を見てみましょう!

【2023年9月】地元の小学生が松永湾で潮干狩りを体験!

尾道・松永湾でアサリがたくさん獲れていた頃は、干潟を活用した潮干狩りも盛んだったそう。漁獲量が減ってから長らく潮干狩りは行われていませんでしたが、2023年9月に、1日限りで潮干狩り場が復活!地元の小学生を含む多くの参加者が集まり、潮干狩り体験が行われました。

参加者の中には「ずっと尾道に住んでいるけど潮干狩りは初めて!」という方も。この日は夢中でアサリを掘り起こしたり泥の中から小さな生き物を探したりと、大人も子どもも一緒になって盛り上がれるイベントとなったようです♪

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【2023年10月】アサリ再生サイトの造成&セミナー開催も

尾道・松永湾「令和の里海づくり」の一環として定期的に行われているのが、アサリ再生サイトの造成活動です。2023年10月にも地元の方々が集まり、アサリを散布する活動が実施されました。
この日は、耕うん機などを使って干潟の土壌を整えるところからスタート。小さなアサリの稚貝が地元の方々の手によってたくさん撒かれました。松永湾の穏やかな景色を眺めながらの作業は、多くの参加者にとってリフレッシュにもなったことでしょう♪

同日の午前中には「尾道の海の豊かさ」についてのセミナーも開催。参加者の方にとって、身近な松永湾の現状を知る貴重な1日となりました。

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【2023年11月】地元の山波小学校で出張授業!

尾道市「令和の里海づくり」では、子どもたちにも活動に興味を持ってもらおうと、地元・山波小学校での特別授業が定期的に行われています。2023年11月には、アマモ場の再生地球温暖化対策“ブルーカーボン”についての出張授業が開講されました!

アマモの藻場再生は、松永湾の水質改善につながる大事な活動のひとつ。さらに、アマモは炭素を吸収する“ブルーカーボン生態系”として地球温暖化の改善効果が期待されていると知り、子どもたちの干潟再生活動への意欲もより高まった様子。

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授業の後半では、実際にアマモの種植えに挑戦!春頃まではこのまま子どもたちの手で大切に育てられ、大きく成長したら松永湾の浅瀬へ植え替えられる予定だそうです♪

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未来の子どもたちに豊かな海を…尾道「令和の里海づくり」参加者の想い

最後に、尾道「令和の里海づくり」に参加されている方へのインタビューもご紹介!今回は、干潟再生活動に2023年8月から携わっている淺野晃平(あさの こうへい)さんに、お話を伺いました。

干潟を耕うん機で耕している淺野さん

まずは、実際に活動に参加された感想を教えてください♪

淺野さん「干潟再生活動は単純な作業が多くて黙々と取り組むことが多いんですが、意外と楽しいんですよ。これは、新たな発見でした。そもそも干潟で耕うん機をかけたり、アサリを撒いたりっていう体験自体が珍しいので、レクリエーションに近いのかも。大人も子どもも一緒になって、ワイワイ楽しくやっています!」

 

干潟再生活動への参加者の方がとても多くて驚きました!地元での認知が広がってきているのでしょうか?

淺野さん「数年前、活動当初はわずか3名だったそうですが、今や30名もの参加者が集まるほど、活動の輪は確実に広がってきています。ただ意外なことに、松永湾周辺というよりは、地元以外の方のご参加が多いですね。広島県内外で社会貢献に取り組む企業の方々の間などで、認知が広がってきている印象です」

 

今後の活動に対する参加者のみなさんの想いを教えていただけますか?

淺野さん「今後は地元の方々も含め、もっといろんな方に活動の輪を広げていきたいですね。そのために、地元以外の地域からも人が集まるようなイベント子どもたちも巻き込んだ活動などを、積極的に増やしているところです。広島の貴重な海として、松永湾の現状にもっと関心を持ってもらえたらと思います」

 

最後に…松永湾の干潟再生活動で目指すゴールを教えてください!

淺野さん「実は、尾道・令和の里海づくりの最終的なゴールは、松永湾の里海としての“再生”ではなく“バージョンアップ”なんです。“再生”というと、かつてのような地元の人とアサリ漁業関係者にとっての海を復活させることを意味しますが、目指すのはそれだけではありません。
松永湾を、ブルーカーボンなどの新たな価値や、地元の人々をはじめ、観光客などより多くの人との関わりを持つ里海にすることが、私たちの目標です。そのためには干潟を、アサリがしっかりと息づく環境にすることも重要な活動だと考えています」

 

広島で生まれ育った人の中には、昔の豊かな松永湾を覚えている人もいるかもしれません。将来的にはそれよりもっと進化した里海になるはずなので、ぜひ期待しておいてほしい…と、淺野さん。
松永湾を、より多くの人々に愛される里海に…というゴールに向かって、みなさん団結して活動に取り組んでいることが、お話を伺っていて分かりました!

尾道「令和の里海づくり」は始まったばかり…今後の活動にも注目!

今回、お話を伺った淺野さんが、松永湾の活動のことを「想像以上に楽しかった」と語られていたのが印象的でした。自分たちの手で身近なふるさとの海を再興していくのは、きっと大変さと同じくらい、特別なワクワク感があるはず♪尾道「令和の里海づくり」はスタートを切ったばかり。みなさんもぜひ、尾道の松永湾で潮干狩りができるのを心待ちにしながら、今後の活動にも注目してみてくださいね!

【尾道東部漁業協同組合】

所在地

〒722-0062広島県尾道市向東町12635番地の2

電話番号

本活動に関するお問い合わせは以下までお願いします。

お問い合わせ先:ひろぎんエリアデザイン(株)淺野

080-9954-7837

 

担当ライター

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