ホストファミリー体験談②受け入れでショック!文化・食生活の違い

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夏休み前の6週間、わが家はホストファミリーとしてカナダから来た15歳の男子留学生を受け入れました。英語が話せない私は、初めての外国人の受け入れに戸惑うばかり。特に悩んだのは、やはり生活習慣と食生活の違いです。どのようなことに悩み、どう折り合いをつけていったのか、また、悩みから解放されたきっかけは何か、実体験をご紹介します。

予想していなかった生活習慣の違い

まずは、生活習慣の違いで戸惑ったことについてご紹介します。

玄関の上で靴を履く

出典:photo AC

日本と海外の生活習慣の違いで、有名なのは「日本は玄関で靴を脱ぐ」ことかと思います。わが家に来た留学生は、来日した初日、「ここで靴を脱ぐの?」と聞き、玄関で靴を脱ぎ、その後も家に靴のまま入ることはありませんでした。ところが、問題だったのは、靴を履くとき。玄関の「三和土(たたき)」で靴を履くことができません。玄関の上で靴を履くのです。注意するとその場では三和土に降りるのですが、次の日はまた玄関の上で履くという繰り返しで、何度も注意しました。

お風呂に入らない

最も驚いたのが、「あまりお風呂に入らない」ことです。「シャワーを浴びて」と言っても、「もう寝る」と言い、お風呂に入るのは2~3日に一度。留学生が来たのは6月下旬。日本は梅雨の蒸し暑い時期でした。私たちからすると夏に汗を流さないのは信じられないことですが、海外通の方に聞いたところ、カナダは涼しくて湿度も低いため、毎日はシャワーを浴びないとか。学校で先生が話をしてくれたことで、その後シャワーは毎日浴びるようになりました。

スイッチを切らない

出典:photo AC

これはうちに来た留学生本人の問題だとは思いますが、とにかくスイッチを切りませんでした。お風呂の電気、洗面の電気、トイレの電気、部屋の電気、エアコンのスイッチ、どれもこれも点けっぱなしです。何度「Turn off!」と言ったか分かりません。

やっぱり悩んだ食文化の違い

留学生を受け入れるときに、どの家庭でも悩むのが食事ではないでしょうか。何を出したら良いのか、何を食べるのか、とても悩みました。具体的に説明します。

日本食を食べない

出典:photo AC

来日早々、「お米は嫌い」「お寿司は嫌い」「海鮮は食べない」と言われ、ショックを受けました。せっかく日本に来たのだからと思い、お米や味噌汁を一度は留学生に出しましたが、お米はひと口食べて「好きじゃない」と言われました。味噌汁に至っては口をつけず、「トライして」と言うと、「食べたよ!」と言う始末…。留学生の「日本食を食べない」というスタンスは、「なぜ日本に来たの?」という疑問を私に抱かせましたし、「日本に対して失礼なのでは」という感情まで湧きました。

平気で食事を残す

出典:photo AC

初めて留学生が私の食事を口にしたのは、学校に持って行ったサンドイッチのお弁当でした。具は、ハムチーズレタス、ツナマヨ、チョコレートクリーム。結果は、ツナマヨは全て残し、ハムチーズレタスは食べかけ、チョコレートクリームのみ完食でした。その他に果物と野菜も入れていましたが、どちらも食べていませんでした。この平気で食事を残すという感覚が理解できず、どうやったら全部食べてくれるか、試行錯誤しました。その後、サンドイッチで定番のツナとケチャップが嫌いと判明。最終的にはチョコレートやジャムなどの甘いサンドイッチとチーズサンド、唐揚げ、ポテト、栄養補助食品のバー、お菓子が定番のお弁当メニューになりました。

野菜・果物・朝ごはんを食べない

さらに驚いたのは、野菜・果物を食べない、朝ごはんを食べないことでした。(※個人により違いがあるので、全ての留学生に当てはまるわけではありません)夏だったので、スイカやぶどうなどを食べるだろうと思い、何度か出しましたが、一切口にしませんでした。また、サラダも食べませんでしたし、朝ごはんもいらないと言いました。そのくせ、朝にお菓子を食べたがったり、アイスを冷凍庫から出して食べたりしていました。とにかくチョコレートや甘いものが大好きだったのです。

悩んだ末、食事にどう折り合いをつけたか

留学生の食生活に驚き、悩んだ私ですが、そんな食生活を受け入れられるきっかけがありました。

カナダから帰国したばかりの高校生の衝撃的な話

出典:photo AC

それは、ある日本人女子高校生の話でした。彼女は、カナダに1年間留学して帰国したばかり。カナダにいる間に、2軒のホスト先に滞在したそうですが、彼女が教えてくれたカナダの家庭の食生活は驚くべきものだったのです。
・ホストマザーが夕食を作るのは週に一度程度
・2軒の家はどちらも野菜をほとんど食べなかった
・栄養バランスは一切考えられていない
・ピザやフライドポテトを自分で買ってきて食べていた
・ポテトチップスが昼食として学校のリュックに入っているのは当たり前
この話を聞き、私は驚くとともにわが家に来た留学生の食生活に納得しました。留学生はカナダではごく一般的な食生活の男の子なのだと理解したのです。

頑張るのをやめた

私が最もストレスに感じていたことは、一生懸命作った食事を残されることでした。しかし、女子高校生の話を聞いて私の気持ちは一気に楽になりました。留学生の食事について、私が気を揉むことはないのだと思えたのです。そこで、私は頑張って食事を作るのをやめました。お惣菜や冷凍食品などを買うことが増えました。買ってきたものなら、たとえ残されても、落ち込むことはなかったからです。

好きなものだけ食べるバイキング方式に

出典:photo AC

食事の提供は、大皿に入れてバイキング方式で食べたいものだけを食べてもらうようにしました。みんなが食べられるように、品数は多めに和洋折衷の料理を食卓に並べました。
【ある日の献立】
・ハンバーグ
・肉じゃが
・サラダ
・サーモンフライ
・パスタ
・ピザ
日本人家族には、これに白米と味噌汁、といった具合です。みんなで食べるので、買ってきたものを残すこともありませんでした。

どんな食事を出していたかというと…

買っていたものは主に、チルドのピザとお惣菜のフライドチキンや唐揚げです。手作りしていたものも含め、主に留学生に出していた料理は次のようなものです。
・ピザ(焼くだけのチルド食品)
・ポテト(揚げるだけ・冷凍食品も)
・唐揚げ
・とんかつ
・ぎょうざ(冷凍食品)
・パスタ
・カレー
・焼いた豚肉や牛肉

日本食が嫌いな留学生が気に入った料理とは!?

出典:photo AC

日本食が嫌いだと言った留学生ですが、私が出した料理の中で特に気に入ったものが3つありました。それは、キーマカレー、ぎょうざ、とんかつです。特にキーマカレーは大変気に入ったようで、「あなたは料理の天才だ」とまで言ってくれ、おかわりして食べていました。ちなみに白米は食べないので、買ってきたナンにつけて食べていました。

食べなくても日本の習慣や考え方については伝えた

私は留学生に日本食を食べさせることを諦めました。しかし、日本人の食事に対する考え方だけは伝えました。主に次の3点です。
・日本人は食事を残すことを嫌がる
・「いただきます」の意味…料理を作った人、食材を育てた人、命に対して感謝の意味が込められている
・朝ごはんを食べることの重要性…集中力を高め、熱中症を予防する 
その結果、「いただきます」を言うことは留学生にもかなり定着しました。また、朝ごはんは食べない宣言をした留学生でしたが、彼の好きな菓子パンを買っておくと、食べることもありました。

寛容になる&強要しないことが大事だと気づいた

日本食を食べない留学生に、最初は腹を立てていた私。しかし、次第に留学生の立場に立ち、寛容になることができました。もし、私が日本食ばかりを出し、日本食を食べることを強要していたとしたら、「このホストマザーは自分が嫌いなものばかりを食事に出す」と思われ、関係は悪くなったでしょう。私は留学生が私たちホストと良い関係を築くことこそが日本を好きになることにつながると考えていたため、留学生の食生活を受け入れ、日本食を強要しないことに決めたのでした。

無理をせず、相手の文化を受け入れるのがコツ

留学生を受け入れるとき、その子の食事の好みまでは分かりません。生活習慣や食事については、生活しながらお互いに折り合いをつけるしかないと思います。相手の文化や育ってきた背景をありのまま受け入れ、ホストの価値観を押しつけず、無理をせず、寛容になれたら、良い関係が築けるのではないかと思います。結果、大きなトラブルもなく、貴重な経験ができた6週間でした。機会があれば、ぜひ、留学生の受け入れにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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担当ライター

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