第5回『お守り刺繍作家 吉原聖子さん』

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広島で輝くママへのインタビュー、今回ご紹介するのは我がPeekabooと深い「縁」を持っているこちらの女性、吉原聖子さんです。
吉原さんが手がける刺繍入りオリジナルアイテムが、今SNSで大人気!
手に取ると思わず笑顔になってしまう…そんなキュートな刺繍入りアイテムを作成している吉原さんに、母親として、またさまざまな作品を生み出す刺繍作家として、そして女性として、日々どのように過ごしているのか…聞いてみました。

精いっぱいのエールを刺繍に込めて

吉原さんは大学を卒業後、化粧品メーカーに就職。結婚後も精力的に会社で活躍されていましたが出産を機に退職。
「子育てしながら社会で働くことって難しいんだな…と常々思ってはいたのですが、子どもが産まれてからますますその思いが強くなったんです」
子育てをしながら、「自由でかつ心豊かに暮らしていくには…?」と自問自答していた、という吉原さん。
そんなときに出会ったのが株式会社Peekaboo。
オフィス内の保育園に当時1歳の長男を預けて、ライターとしてのキャリアをスタートさせます。
「保育園に息子を預ける際、毎回『この子は1歳で早くも社会に出て行くんだな』と思っていたんです。
私が仕事をしている間、という限られた時間ではありますが、親元を離れて色々なお友だちや先生と触れ合う我が子に、何かエールを送りたい…。そう思ったときにふと思いついたのが刺繍。
『頑張ってね』『応援しているよ』の気持ちを込めて、息子の園グッズやお洋服に刺繍を入れたんです
刺繍はまったくの独学なんです、とほほ笑む吉原さん。
「息子に何か形として残る物をプレゼントしたい、と思ったときに、ふと頭に浮かんだのが、自分は絵を書くのが好き、ということ。自分が描いたイラストを生かした何か…と考えたときに、刺繍だ、と。それまで刺繍はおろか、ミシンすら持っていなかったんですが…。ひたすら独学で勉強し、自分のイラストを刺繍でどう表現するか、を考えていきました」
そうして我が子への「頑張って」の気持ちを刺繍であらわすようになった吉原さん。
「息子の当時の持ち物やお洋服ほぼ全てに刺繍が入ってるんですよ」
と笑顔で話してくれました。

これが、刺繍作家としての、また、お守り刺繍入りベビー・キッズアイテム「Ray chel*」(レイチェル)の作品作りの始まりです。

愛し、愛された証として

現在、吉原さんが手がけられている「お守り刺繍」。このネーミングには深い意味があるのをご存知ですか?
「子育てって、嬉しい!楽しい!ばかりじゃないですよね?子育てって、想像以上に大変。どうしても辛い時やしんどい時が出てきてしまいます。そんなときに、私の作品を手に取ったママが笑顔になってくれたら…そう思っています」
もちろん作品を身に付けた子どもたちへの思いも込められています。
「自分が母親や父親をはじめとして、周囲の人たちに惜しみない愛情を注いでもらえた、その記憶って、子どもの安心感や自己肯定感に繋がるんだと思います。
何か大きな壁にぶつかったり、辛いこと悲しいことに遭遇したりしたときに、愛された日々の記憶が勇気やパワーとなって、その子を後押ししてくれる…。そんなお守り代わりになるようにという意味を込めて付けたのが「お守り刺繍」です。
だから、子育てにおいて愛すること、愛されることってとても大切だと思うんです」
製作前の打ち合わせの時に、子どもを思うお母さんたちの気持ちがすごく伝わってくる…と語る吉原さん。

「オーダーされた人たちの要望をしっかり聞いて、その子をイメージしながらデザイン、カラー、レイアウトを選んでいきます。
そして、私の作品が、ママの『愛した証』、子どもたちの『愛された証』として、大切にしていただければ、こんなに嬉しいことはないですね」

また、子どもたちには物を大切にする心を育んでほしい、と吉原さんは考えています。
自分の名前が入った世界でたったひとつの物…。そう思うと大切にしよう、ずっと長く愛用したい、という気持ちが湧いてきますよね。私の作品を、記念としてずっと手元に残しておいてもらえたら、きっと『自分はこんなにも愛されて、大切にされていたんだ』って思ってくれるはず。私の作品を通して、『愛情』『優しさ』をプレゼントできればいいな、と思うんです」

今現在は、ネットでの販売を主軸としている吉原さんの作品は、とても人気が高く、販売したらすぐに完売してしまう状態です。
「メインの作品はスタイを主としたベビーグッズです。でも、お客様から、さまざまなご要望や、親子お揃いアイテムも展開してほしい…という声などをいただいています。ご期待に添えるように、すこしずつアイテムを広げていきたいと思っています」

お客様に「3度の感動」を与えたい、という吉原さん。
1度目は商品を実際に手に取ったとき、2度目は実際に子どもに着けたとき。その姿に改めて愛情を感じてもらいたい。そして3度目は使い続けたとき。いつまでも丈夫で長持ちするな…と実感していただける品質と縫製にこだわりたい。これからも、この3度の感動を提供できるような作品を提供し続けたい、と思っています」

そして、最後にこう付け加えてくれました。
「使ってくれる赤ちゃんとママの幸せを願い、ひと針ひと針に思いを込めた世界にひとつだけの『お守り刺繍』で、ひとりでも多くの方々に幸せを届けられますように」

「必要」とされる喜び

刺繍作家として活躍されている吉原さんには、4歳と2歳、ふたりの男の子のママというもうひとつの顔があります。
そんな吉原さんに、「ママになって一番嬉しかったことは?」と聞いてみました。
『必要とされていること』。これに尽きますね。正直なところ、仕事はどれだけ頑張って、どれだけ重宝されても、どこかに必ず代わりはいます。でも、子どもには私しかいないんだな、って。子どもが必要としているのは、他の誰でもない、私なんだ、って実感できることが本当に嬉しいし幸せですね」
さらに、自分がどれだけ愛情を注いでもらっていたか、にも気づくことができた、と吉原さんは教えてくれました。
「自分が子どもに愛情を持って接していくたびに、『あぁ、私もこんな風に両親に愛されて、大切にしてもらっていたんだ』と痛感しました。両親に対する感謝と尊敬の気持ちが、より明確になった感じがしますね。子育てすることで、『両親への真の感謝の気持ち』を教えてもらえたんだと思います」
でも、やっぱり大変なこともありますよ、と吉原さん。
「自由に行動できないこと。これが本当に大変だし、ストレス。たとえば睡眠を例にとっても、自分が『眠いな』と思ってもすぐに眠れるわけじゃない。『○時までにこれをしよう、〇時になったらあれをしよう』と、自分のタイムスケジュールで動くことができない。これはやっぱり、しんどいなぁ、と思います」

そんな忙しい日々を送っている吉原さんは、やはり時間の使い方を工夫しています。
「子育てと仕事、このふたつを充実させることが一番。そのためにはやることとやらないこと、このふたつの線引きをしっかりとするように心がけています。
たくさんある物事の中から、『これは絶対にやる』『これは必要ないからやらない』という取捨選択を常に行うようにしていますね。後はやっぱり体力勝負。無理をするとどうしてもどこかでしわ寄せがきますから、無理をしないように、体調管理をしっかりとしています」

ママになる前は朝から晩まで働きづめの仕事人間だった、という吉原さん。
「ママになってからは時間の感覚がまったくかわってくるんですよね。限られた時間の中で、きちんと結果を出せるような効率の良いパフォーマンスをしなければならないし、仕事と家事育児の切り替えが大切になる。
イライラしたりして、ママが不機嫌だと家の中が暗くなるから、仕事でしんどいことがあってもそれを引きずってはいけない。
だからこそ、私はいつでもワクワクしていたい、と思ったんです。一見ファンタジーのように思われるかもしれませんが…、好きなことを仕事にして、毎日ハッピーでいたい、って」

さて、吉原さんは、ふたりのお子さんには、将来どのように成長して欲しいと思っているのでしょうか?
子どもたちには、『心の土台がしっかりした子』になってほしい、と思っています。何があっても自分を信じることができる、自己肯定感を持った子どもでいてほしい。そんな風に思っています

ここからは気になる質問を…

◎1日のスケジュール

◎日々の生活の中で幸せを感じる瞬間は?

「仕事ではやっぱり、お客様に自分の商品をお渡しして、喜んでいただいたときですね。プライベートでは、なんてことはなくとも、家族で笑い合っている瞬間が一番幸せを感じます。あとは、夜、就寝時間に家族みんなでお布団に入る瞬間です」

◎お子さんとの休日の過ごし方は?

「公園で遊ぶこと。最近は、海で休日を過ごすことも。子どもたちも思いっきり遊べるし、色々な生き物を観察することもできるし、一日遊べて効率的(笑)。山口県の由宇の海がとてもキレイでオススメです。家族でドライブがてら出かけることも多いですよ」

◎おすすめのベビーグッズは?

「やっぱりスタイかな(笑)。とにかくベビーグッズは手作りされたものがオススメです。手作りの物って、やっぱり『大切に使おう』『ずっと大事に取っておこう』って思いますから。それに、お母さんの思いを込めて作られたものって、世界にひとつしかない「特別」なものだな…と」

◎親子コーディネートのポイントは?

「兄弟でお揃いコーデをすることがほとんどなので、あえて親子でお揃いコーデをすることはないですね(笑)。ただ、子どもが赤ちゃんのときは、スタイの裏地でヘアアクセを作って、さりげなく小物をリンクさせて楽しんでいました」

◎お気に入りの子ども服ブランドはありますか?

「ファミリアです。ひとつひとつ丁寧に、大切に作られているから。とても丈夫で長持ちするんです。洗濯にも強いし、いつまでもキレイな状態を保ってくれているので感動します。」

◎日々、「女性」として気をつけていることはありますか?

「24時間365日、ママになりきってしまわないことですね。1日のほんの数分、数時間でも、『女性でいる部分』を残しておく、というマインドが大切だなと思っています。そのために、夫婦でデートする時間を設けるようにしています。あ、最近は紫外線対策の重要性を切に感じていますね」

◎自分へのご褒美は?

「あまり物欲はなくて…(笑)。一番のご褒美は、やっぱり『時間』ですね。夫婦水入らずで月イチデートを楽しむこと。そのときに少し贅沢な食事をしたり、お買い物をしたり。この時間が自分自身へのご褒美だと感じています」

◎夫婦円満の秘訣は?

「しっかりと向き合って、会話をすることが大切だと思います。思っていることは、きちんと考えたうえで相手につたえないと、誤解や勘違いが生じて無駄な時間を過ごしてしまう可能性も。もちろん、尊敬、感謝の気持ちを忘れないことも大切ですよね。後は、パパとママになってしまわないこと。男女でいる時間を設けることも重要なポイントかな。これらのことを根気強くつづけたことで、私たちは、夫婦であり、子供の両親であり、仕事のよき理解者であり、親友という関係を構築できている気がします」

◎広島ママへのメッセージ

「私もまだまだ子育て中の身ではありますが、おそらくあっという間に子供は成長して自分たちの手から離れていきます。その時、後悔せずやれることはすべて全力でやったよと言えるように毎日を大切にしたいですね。そのためにも限られた時間の中で優先順位をつけるようにしませんか。大げさかもしれないけど明日もし世界が終わるとしたら?という気持ちで…。やるべきこと、やりたいことを選択していけば、おのずと心地よいものに囲まれて生きていけると思います。人間だから完璧でなくて当然、そんな人間臭い部分も出しながら日々を丁寧に生きていきましょう」

また、「Ray chel*」としてこのようなメッセージも。
「仕事と家事育児との両立、専業主婦としての生活、どちらも経験していてどちらの大変さもしっかり理解しています。そんな頑張る日本のお母さんたちに、『Ray chel*』のアイテムを通して幸せな気持ちになっていただきたい、愛のある子育てのお手伝いをこれからも続けていきたいと思います」

繊細であたたかみのある作品同様、愛に溢れた吉原さん。吉原さんの生み出した作品が、たくさんの子育て中のママに笑顔と幸せを運んでいるんですね
吉原さんの作品は、「一緒に子育てを楽しみましょう」という吉原さんからのメッセージでもあるのです。

吉原さん♡この度はインタビュー企画にご協力頂きまして、本当にありがとうございました!
pikabu編集部、一同

担当ライター

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